これは私の友人Aの話です。Aとは中学の同級生。高校は別々になり、高校時代に見かけたときにAはすでに妊娠して大きなお腹をしていました。その後も17歳にしてママになったAと結婚して地元を離れていた私は当時携帯があまり普及していなかった時代で連絡先を交換していなかったこともあり、久しぶりに会ったのは私が離婚して地元に戻ってきた時でした。

何気なく入った職場近くのコンビニ。そこでAちゃんは働いていました。お互いどちらともなく「久しぶり」と声をかけ、何度か顔を合わせることが増えてきたある日、「今度、相談にのってほしいんだけど飲みに行かない？」と声をかけられました。

子どもがいるもの同士なので、あまり夜に出掛けることはと思いましたが子どもが居ないところで話したいとのことだったので、後日時間を合わせて話を聞くことにしました。

食事をしながらAは「子ども三人を抱えて離婚したい」と話してきました。

よく話を聞いてみると、旦那さんはシングルマザーと不倫し、なかなか家に寄りつかない。更には転職を繰り返し、家にはお金を入れず子どもの為の手当すら没収されてしまうとのこと。

更にはシングルマザーとの間にできた子どもも「いまは産ませてあげられない」と堕胎までさせていました。その費用はと聞くと、没収された子どもの手当で支払いしたと言っていたそうです。

明日食べさせる米ももはやない、酷いときには子どもを病院に連れて行っても容器代が払えないから連れて行けないというのです。

では、今日の食事代はどこから？と思いましたが、コンビニのバイト代から出しているから今日の分は大丈夫と話していました。

色々と疑問に思いつつも、旦那さんの仕打ちに同情し最初は親身に相談にのり、私が分けてあげられる食材（実家や友人から貰いすぎた野菜など）は分けてあげてましたが…。

ある時、Aからお金を貸して欲しいと言われました。「高校に上がる子の体操着が買えないの。手当が入ったら返すから」といわれ、子どもに不憫な思いをさせたくないといたたまれない気持ちになり、少額ですが貸すことにしました。

しかし、返金の約束の日になるとAの都合が悪くなることが何度か続きました。

そのまま待てど暮らせど、もはや返金はなし。更に、なんとAは4人目を妊娠。無理矢理だったと答えていましたが、金銭的に更に圧迫されたらしく「もう少しだけ貸して欲しい」とお金を要求されました。

しかし、返金がないまま増額はできないと断り、その状態であれば離婚や生活保護を受けることも検討した方がいいと話しました。

Aは「妊婦のまま離婚するのは不安だし堕胎もしたくない。父親が最初から居ない子にもしたくない。だから出産してから改めて離婚を考える」と話してきました。

確かに妊婦のままでの離婚が不安になることはわかります。なので「出産まではまずは落ち着いて、産後によく考えてみた方がいい」と話しました。

その後、私が忙しかった事もあり、Aとは少し距離を置いていました。

ある日、何気なく見たAのラインのアイコンが変わっていたことに気がつき、久しぶりに連絡をしてみることに。「久しぶり、無事産まれたんだね」と送信すると、「そうなの。で、今は5人目を妊娠中」との返信が！

もちろん、お金に関しては「もう少し待って」。

私は、「ごめん、もう相談にはのれない。私にはAが離婚する気があるように思えない。Aの子どもが辛い思いをしたら、かわいそうだと思って貸したお金もAは返そうと思ってるようには思えない。私だって余裕があって貸したわけじゃないよ？でも、もう勉強代だと思うことにするから返金も要らない。そのかわり、申し訳ないけど友達の縁は切らせてもらうね。」と送信しました。

既読はすぐつきましたが返事はなし。

その後、何度かAを見かけることがありましたが、私を見つけるとそそくさと逃げていきます。

たとえどんなに困っている友人でも、お金の切れ目は縁の切れ目。いい勉強になりました！

（まいどなニュース特約・長岡 杏果）