白猫だが白猫に見えないほど汚れていた野良の子猫、上品な外見とデレるギャップがたまらない
白猫のしおちゃんは、野良の子猫だった。たまたま犬の散歩で通りがかった人が保護。保護猫カフェのオーナーに託された。以前から猫を飼いたいと思っていた三浦さんは、真っ白で上品な雰囲気だが、たまにデレッと甘えてくるところにギャップ萌えした。
■保護主さんをシャーッと威嚇した野良の子猫
2020年9月11日の夕方、CATS&DOGS CAFÉのオーナー吉田さんのもとに、知り合いから「河原で犬の散歩をしていたら子猫を見つけた」と連絡があった。保護しようとしたが、威嚇して、噛みつこうとするという。吉田さんは、現場に急行すると決めたが、準備をしていると、「保護できた」と再び連絡があった。保護主は犬派で、猫に慣れていない。しかし、おやつで子猫を餌付けして時間を稼ぎつつ、いったん帰宅して犬を置き、キャリーケースとチュールを持って現場に戻って保護したそうだ。仮の名前はクワットロになった。
吉田さんは子猫を受け取り、ひどく寄生していたノミを取り除くためにシャンプーをした。シャーシャー威嚇してきたがおかまいなし。きれいに洗っても汚れは取れず、「たぶん白猫」だと思われた。お腹がすいていたようで、ごはんを与えるとがつがつ食べたという。
■普段は大人しいが、たまにデレ
東京都に住む三浦さんとパートナーは猫が好きなので、よく猫カフェに遊びに行った。猫を飼えたらいいなと思っていたが、ペットショップに行ってもなかなか踏み切れずにいたそうだ。2020年11月14日、近所のCATS&DOGS CAFÉに行った時、吉田さんと保護猫たちに出会い、「このカフェの子の里親になろう」と決めたという。
その時、クワットロちゃんはおもちゃで遊んだり走り回ったりせず、大人しく上品にしていた。たまにデレて甘えてくれる、そのギャップが可愛くて気に入った。
2020年11月28日、吉田さんが家までクワットロちゃんを連れてきてくれた。
「家に来た日はごはんもほとんど食べず、トイレにも行きませんでした。そのあとの1週間もケージから出てこなかったり、真夜中から朝方にかけてずっと鳴いていたりしていました」
三浦さんは、このまま慣れてくれないのではないかと心配したが、1週間もしたら徐々に隙を見せるようになり、仲良くなれたそうだ。
三浦さんとパートナーは、2人ともイニシャルがSなので、同じようにサ行の名前にしようと思っていた。白色なので、砂糖のシュガーや塩のソルトにしようかと迷ったが、平仮名の「しおちゃん」にした。
■毎日が明るくにぎやかになった
しおちゃんは、元気で人懐っこく、来客があっても警戒しない。CATS&DOGS CAFÉにいた時は、おもちゃで遊ぶ様子もなく、大人しい猫のように思えたが、慣れてからは家中走り回ったり、おもちゃを壊したりしてしまうほど元気に遊んだ。
朝は、しおちゃんがベッドの上に飛び乗ったり、部屋中を走り回ったりする音が目覚まし代わり。三浦さんが投げたおもちゃを飼い主の所まで持ってくるのが、しおちゃんの得意技だ。
最初は、おもちゃを投げてしおちゃんがダッシュで追いかける遊びをしていたが、気がつくと、しおちゃんはおもちゃを三浦さんたちの目の前まで持ってくるようになった。
「特にしつけてはいないので最初はとても驚きましたが、とても可愛くてたまらないです」
三浦さんは、しおちゃんを迎えてからしおちゃんと遊ぶ時間が増え、携帯を見たりテレビを見たりする時間が減ったという。今ではしおちゃんを中心に生活している感じで、とても明るくにぎやかになったそうだ。外出先でもしおちゃんの話をすることが多く、喜びそうなおもちゃを探すことに生きがいを感じている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)