交通量の多い道路の近くに捨てられた生後1カ月の子猫 保護すると、お世話好きな優しい猫に成長

交通量の多い道路の近くに子猫が箱に入れて捨てられていた。夜勤明け、たまたま箱から出た子猫を見かけた嶋田さんの長男は、すぐに母親に連絡、子猫が道路に出てひかれないよう二人で捕獲機を設置し、やっとの思いで子猫を保護した。

■夜勤明けの帰り道、偶然見かけた子猫

2019年6月24日、大阪府に住む嶋田さんの長男は夜勤明けだった。駅から自宅まで自転車で帰る途中、何か動く物体が目に入り、5匹の猫を飼っているため、すぐに「子猫だ!」と直感した。

母親に電話で連絡し、まだ自宅にいた嶋田さんは、「私が行くまで待っていて」と言い、長男と待ち合わせした。捕獲器を持っていったが、子猫は嶋田さんたちに気づき、側溝に隠れてしまい、捕獲器を設置してもなかなか保護できなかった。

人通りの多い場所だったので、なかなかタイミング良く捕獲できず、嶋田さんは長男と2人で頭を抱えていた。

子猫がいた場所は、大型のトラックなどがたくさん通る、交通量がとても多い道路沿いだったので、捕獲をあきらめてその場を離れるわけにはいかなかった。

■交通量の多い場所に捨てられた子猫

何とか捕獲器で保護することができたが、その後周囲を確認すると、清涼飲料水を入れる段ボール箱が目に留まった。中にはキャットフードの缶詰が1つ入っていて、カッターでくりぬいて出入り口の穴が作ってあった。

「交通量の多い場所にわざわざ捨てるなんて。しかも、良かれと思ってだと思いますが、出入り口をつけるなんて!と思いました」

元気な子猫で、生後2カ月弱くらいだと思っていたが、初期治療で病院に連れて行くと、「この子はまだ生後1カ月になったばかり」と聞いた。普通ならまだミルクを飲んでいる時期なので、嶋田さんは驚いた。誕生日は、獣医師が5月15日くらいだと言ったので5月15日にした。

物怖じしない性格の子で、本当は里親を見つける予定だった。しかし、長男が「うちの子にしたい」と言ったので、そのまま嶋田家の子になった。

名前は、長男がハントくんと名付けた。嶋田家の家猫は、みんなカタカナで6画の名前にしている。以前、ゼロちゃんという子猫を引き取った時、7画の名前にしたのだが、嶋田家に来ていきなり具合が悪くなって亡くなったので、嶋田さんは6画の名前にこだわっている。

■他の猫がいないところでは甘えん坊

ハントくんは嶋田さんに甘えたいが、みんながいる前ではなかなか甘えられず、トイレに入るとついてきて、トイレの中で「抱っこして」とゴロゴロ喉を鳴らす。また家の中を歩いていると、嶋田さんよりも前に来て、コテンとお腹を見せて寝転がることもあるという。

先住猫のアメリカンショートヘアのレオンくんのことが大好きで、毎日レオンくんと2匹でじゃれあったり、毛づくろいしあったりする微笑ましい姿が見られる。

「しつこいくらい毛づくろいしあっているので、私は思わず『男同士なのに…』とつぶやいてしまいます」

どの猫にも優しく接しているハントくん。新しい子猫が来ると、片っ端から毛づくろいしたくて仕方ないようだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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