ついて行く?その場で待機? 本を書店員さん探してもらうとき…あなたはどっち? 漫画家のツイートが話題
全国のリアル書店ファンの皆さん、書店員さんに探している本を伝えた後、どうしていますか。戻ってくるまでその場で待つ、それともついて行く? 本屋さんあるあるの二択、ある漫画家さんのツイートをきっかけにSNSで話題です。
「この問題にそろそろ決着つけたいので、誰か正解を教えてください」。漫画家のうえはらけいたさん(@ueharakeita)が投稿に添えたイラストの場所は本屋さんです。お目当ての本が見つかるまでの間、あなたは-。選択肢は(A)その場で待つ(B)ついていくの二つ。ささいなことも含めると、私たちは1日に1000以上の決断をしているとされ、シェイクスピアの作品「ハムレット」の中には、「Life is a series of choices.(人生は選択の連続である)」という名言も。うえはらさんのツイートには2万超のいいねとともに、300以上のリプライが寄せられました。
【待つ派】
邪魔しちゃ悪いので/店員さんがパッと周り見てこちらが見える位置にいるようにしてる/「ここらへんで待ってます」と伝えてぶらついてます。
【ついて行く派】
持ってきてもらうのが申し訳ない/少しでも店員さんが楽できるように近くまでついて行く/該当する本がなくても関連書籍が見つかることがあるので。リアル書店の楽しさです。
書店を含め小売店で働いているとみられるユーザーのコメントも。「なかったときすごく申し訳ないので個人的にはA」「待っていただく方が気が楽」「自分でもその商品の場所、在庫が分からない場合が多いです。後ろについてこられるとあせります」「元書店員です。ついてこられるのは、正直プレッシャーでした」などと、客側とは異なる心理がうかがえました。
在阪の大手書店チェーンで働く男性に尋ねると、「お客さんの事情をよく考えます。どちらがいいかはちょっと迷います」とのこと。「お客さんとのやり取りの中で、特定の書籍を挙げてお探しならばその場にお待ちいただいています。『いろいろ目を通してみたい』というニュアンスの方は書棚までご案内してゆっくり商品を吟味していただきますいます」。勤務先には、こうしたケースのマニュアルはありませんが、新人には本を探すのに時間がかかる時、必ず一度戻って「もう少しお待ちください」と経過を報告するように指導しているそうです。
大学時代に書店でアルバイトしていたうえはらさんは、気に入った本は必ず店頭で買い求めるというリアル書店ファンです。
-この話題のきっかけは。
「先日、在庫検索では『在庫あり』と出たのに店頭では見つからない、という出来事が3店舗続けて起こりました。店員さんについていって一緒に本を探していたのですが、あまりにも見つからないので、だんだん申し訳なくなり…最終的にその場で待つことにしました。そんなことがあったので、みんなに聞いてみたいなと」
-もともとは「ついていく」派ですね。
「自分の顔が無個性なので、その場で待っていたら忘れられてしまうのではないか…という不安からです。店員さんだけに探しに行かせるのが『パシっている』ような感じもするので、その申し訳なさもあります。でも、今回のように店員さんに在庫を尋ねるのはいつも最後の手段と思っています」
-いろんな人が選択する様子が見えました。
「ああ、やっぱり皆も気になっていたんだとちょっと安心しました。店員さん目線の意見をもらえたこともうれしかったです。立場による考え方の相違って、他にも日常にたくさんあるのだろうなあと」
-決着つけたい問題は他にもありますか。
「物を買ってレシートを受け取った直後、店員さんの目の前でレシート廃棄箱に入れる時、罪悪感を覚えたりしませんか? 皆さんがどのように向き合っているのか知りたいです」
■ 幼なじみの男女の10000日で大賞
〈博報堂コピーライター→多摩美編入→29才からマンガを描き始めました。人生はどこからでも軌道修正できる。それをみんなで証明しましょう。〉とプロフィル欄に記すうえはらさんは、幼なじみの男女の10000日を描いた漫画「コロナ収束したら付き合う二人」をツイッターで発表し、第12回コミチ漫画賞の大賞を受けました。
この作品のテーマは、新型コロナウイルスの感染拡大以前は当たり前だった「人と人が触れ合うこと」。作品には、ハイタッチや握手など、ビフォーワコロナの場面が描かれています。そして、主人公の「おさむ」が渡した幼なじみの「つかさ」への手紙とともに、物語は大団円を迎えます。
「普段は単発の漫画を主にツイッターに上げているのですが、昨年4月に緊急事態宣言が出た時、『殺伐としたSNSの雰囲気を、少しでも和ませられないか』と思い、この4コマ漫画を毎日更新し始めました。漫画は昨年8月に完結したのですが、最近またSNSが重たい雰囲気になってきたので、また連載をしようかと考えています。またそれ以外にも本格的なストーリー漫画の連載準備を進めています」
(まいどなニュース/神戸新聞・竹内 章)