大晦日に父猫に連れられ現れた子猫、猫好きの新婚夫婦のもとで我が子のように可愛がられる

子猫のハルくんは、お父さん猫や兄猫と一緒に猫ボラの三井さんの自宅付近にごはんを食べに来ていた。捕獲後、譲渡サイトで里親を募集。掲載された写真を見た途端、劉さん夫妻は「この子だ!」と声を揃えた。

■猫ボランティアの自宅付近に現れた子猫の兄弟

昨年1月5日の午後、大阪で猫の保護活動をしている三井さんは、自宅前で野良猫を保護するために捕獲機を設置した。

もともとお父さん猫が付近に出没してごはんを食べに来ていたが、大晦日に生後3ヶ月ほどの兄弟の子猫たちが、お父さん猫と同じようにごはんを食べに現れたため、保護することになったという。

玄関前に2台仕掛けて、三井さんは家の中から窓越しに映像を撮影しながら様子を観察した。

先に1匹の男の子がステップを踏んで捕獲され、4分遅れで兄弟猫のハルくんがステップを踏んだ。捕獲機の扉からガチャンと音がした瞬間、三井さんは撮影していた携帯を放り投げ、玄関に向かって逃げられないようにしようとした。ところが、捕獲器まであと5歩のところで、先に入って暴れていた兄弟の子が、目の前で捕獲器から脱走してしまった。三井さんは、やっとの思いで捕獲したので、そこで心が折れてしまったが、まずは捕獲できたハルくんを車に乗せ、洗濯ネットに移し、ハルくんを捕獲した捕獲器を再設置した。その後、とりあえずハルくんだけ動物病院に連れて行ったという。

動物病院から戻ると、兄弟の子も無事捕獲器に入って保護できた。仲良しの兄弟は一緒に保護され、里親が見つかるまでずっと仲良く過ごしていたそうだ。

■緊張のあまりブルブル震えた子猫

劉さんは、台湾人の夫とその年の2月に日本で結婚した。もともと2人とも実家で猫を飼っていて、たいへんな猫好きだったので、結婚したのを機に保護猫を家族に迎えようということになった。

里親募集サイトで、たくさんの猫の写真を目にしたが、夫婦で「この子だ!」と声を揃えたのがハルくんだった。劉さんはすぐに三井さんに連絡し、2月9日、三井さんの自宅に会いに行った。初めてハルくんに会った時、ハルくんはブルブル震えていて、初めて見る劉さんたちに怯えた様子だった。

「その日は少し撫でる程度にとどめましたが、一緒に暮らしたい思いは変わらず、三井さんにその旨をお伝えし、帰り道にハルを迎えるための必要品を揃えに行きました」

2月15日、譲渡当日は、三井さんがハルくんを連れてきた。初めて会った日と同様、警戒した様子で、部屋の中に放すと隠れ場所を探し回った。それでも、三井さんは「きっと大丈夫よ」と劉さん夫妻を勇気づけた。三井さんが帰ったあとも不安そうなハルくんだったが、夫妻ができるだけ自然体で過ごしていると、2日目、3日目にはごはんも排泄もきちんとできるようになり、撫でるとゴロゴロ喉を鳴らすようになった。

■我が子のように可愛いハルくん

名前は、ハルくんを迎えたのが2月中旬で初春で、劉さんの妻の誕生日が春だったこと、アーティストのあいみょんの「ハルノヒ」という曲がハルくんを迎え入れる夫妻の当時の心境と同じだったことからハルくんにしたという。

ハルくんはキジシロの毛色もあり、警戒心がとても強く、知らない人を怖がるが、一度懐くとべったり甘えん坊、抱っこが大好きだ。おもちゃを投げると口に咥えて戻ってきて、犬のように遊ぶとても賢い子だ。

結婚してすぐにハルくんが家族の一員になり、劉さん夫妻は本当の息子のように可愛がっている。

「私たち夫婦も本当に家族になったんだなあと実感しています。ハルがイタズラ好きで困ることもたくさんありますが、それでも毎日ハルがいてくれる生活は本当に幸せで、一緒にベッドで寝たり、甘えてすりすりしてきたり、可愛くて仕方ありません」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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