地域猫として愛されていた高齢猫が大ケガ、保護してわかったこと 「猫は人生を明るくする特効薬」
野良猫のあいちゃんは、子猫の時からとても可愛らしく、地域の人に愛されてきた。神奈川県内で地域猫の見守り活動をしているヨッシーさんは、あいちゃんを引き取りたいと思ったが、3匹の先住猫を飼っていたので、一緒に暮らせるかどうか心配で躊躇していた。
■可愛い野良猫あいちゃん
2018年8月9日、ヨッシーさんは、いつもの見守りルートを変更したことがきっかけで、あいちゃんに出会った。運命的な出会いだと思った。ヨッシーさんが見た時、あいちゃんは擁壁の上で寝ていて、「とても可愛い猫だ」と思ったという。あいちゃんを子猫の時から知る人に聞いたところ、子猫の時からそれはそれは可愛い子だったと話してくれた。
当時、あいちゃんは10歳を越えた高齢猫だったが、不思議なことに誰かに飼われたことはないようだった。「元気なうちは地域の人に可愛がってもらって、いよいよという時には我が家に迎えて一緒に暮らしたい」と思った。心情としては、すぐにでも我が子にしたいのは山々だったが3匹の先住猫と暮らしていたので、折り合いがつくかどうか心配で連れて帰らなかったという。
■迷わずうちに連れ帰る
あいちゃんを見守りを続けていたが、2019年6月4日、森林公園にいたあいちゃんを見ると、猫同士の喧嘩か、他の動物に噛まれたような傷を肩に負っていた。ケガを除けば食欲もあり元気だったので、ヨッシーさんは地域の見守り仲間と一緒に抗生物質とサプリメントを与えて様子を見守った。
怪我が小さなかさぶたになったのを確認して安心していたが、その後の経過は思っていたよりひどく、化膿した。6月17日、動物病院で数針縫って治療し、ヨッシーさんは急遽、あいちゃんを家に連れ帰った。獣医師は、「2週間分の抗生物質の注射を打ちますが、地域に帰すか、家で療養するかどうしますか」と尋ねた。ヨッシーさんは迷わず家に連れて帰ることにした。
「心情としては、どうか3匹の先住猫と仲良く暮らしてほしいと思いました。獣医師は、瞳孔を見て、おそらく13歳くらいだろうと言いました」
■あいちゃんを受け入れてくれた先住猫たち
家に連れて帰ると、あいちゃんは10日間くらい夜通し鳴いていた。先住猫が冷静でいたのが救いだった。あいちゃんが来てから1年半ほど経つが、先住猫のはなちゃん(13歳)、ふうちゃん(11歳)、たまちゃん(10歳)は、高齢猫のあいちゃんを迎え入れてくれた。
ヨッシーさんは「先住猫たちには感謝しています。この子達が優しくなければ、どうなっていたか解りません。4匹の猫に囲まれて幸せでいっぱいです。猫は人生を明るくする特効薬です。保護された猫は運が良く、その影で人知れず天国に行った猫のことを思うと切なく悲しい気持ちになります。保護された猫達には、彼らの分も幸せになってほしいと思います」と言う。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)