保護施設でもらってきた黒猫の名は、黒いけどミルクちゃん 来て早々に脱走劇もお兄ちゃん猫に見守られ

北海道で理容室を営む嵯城さんの奥さんは、「どうしても黒猫を飼いたい」と言っていた。家には2匹の先住猫がいたが、たまたま保護施設アニマールに黒猫がいるのを知った嵯城さん夫妻は、猫を見に行くことにした。しかし、職員に勧められたのは別の猫だった。

■猫を飼わずにはいられない

北海道で理容室を営む嵯城さんは、17年間一緒に暮らした愛猫ミャーちゃんを亡くしてから、猫は飼わないと思っていた。猫を飼いたいのはやまやまだったが、飼えば、いつか別れが訪れることが分かっている。しかし、地方紙ななかまどに掲載されている里親募集情報には目を通していた。

ななかまどには、旭川市の保護施設アニマールで里親を待っている猫が掲載されていた。2015年7月、猫を「見るだけ」のつもりで嵯城さんは、アニマールに行ってみた。アニマールにはいろんな猫がいたが、ミャーちゃんに顔の模様がそっくりの猫が目に留まった。抱っこしてみると飼わずにはいられない。

嵯城さんはどうしても猫を飼いたくなって、2時間の講習を受講後、里親になることにした。名前はなな丸くんにした。なな丸くんを連れて帰宅してから1時間後、「やっぱり2匹迎えよう」ということになり、再びアニマールへ。今度は、なな丸くんと同じケージで兄弟のように育った子猫を引き取った。名前は柄が虎に似ていたので、虎太郎くんにした。

なな丸くんと虎太郎くんは、まるで兄弟のように仲良く育った。

■念願の黒猫との出会い

嵯城さんの奥さんは昔から黒猫が好きで、どうしても黒猫が欲しいと言っていた。なな丸くんと虎太郎くんを迎えてから3年後、アニマールのWebサイトを見ていたら1歳くらいの黒猫が載っていた。2018年5月1日、嵯城さんは、黒猫を見るためにアニマールに足を運んだ。

「掲載されていた黒猫を見たいと言ったら、『その子もいますが、今朝、保護されたばかりの黒猫の子猫がいるんです』と、職員が見せてくれました。野良猫が産んだ子猫で、母猫と暮らしていたところを保護された子でした。生後5カ月くらいになっていました」

抱っこしてみると、大きくも小さくもなく可愛かった。嵯城さんは、その子猫を迎えることにした。三男が、黒猫なのに「みるくちゃん」と名付けた。

■シャーシャー威嚇する子猫

嵯城さんは、みるくちゃんを連れて帰ると、すぐにキャリーケースから出した。なな丸くんと虎太郎くんを見ると、みるくちゃんは、生まれて初めて見る大きな猫に驚いて、シャーシャー威嚇した。そんなみるくちゃんを見て、なな丸くんたちはびっくりしたようだった。嵯城さんは、当面の間、みるくちゃんを店で飼うことにしたという。

「徐々にならしてから対面させるべきでしたが、当時はそんなことも知らず、いきなり会わせてしまいました。でも、5日くらい経つとなな丸たちがみるくの様子を見ながらトイレや食事をするようになり、いまでは3匹くっついて寝るようになりました」

みるくちゃんをもらってきて数日後、店の窓が少し開いていたので、みるくちゃんが外に出てしまった。心配したなな丸くんたちが外を見て、ニャーニャー鳴いて知らせてくれた。「何を騒いでいるのか、おかしいなと思っていたら、みるくがパニックになって走っていたんです」

みるくちゃんは、脱走した窓から戻ろうとしていたが、戻れず。低いほうの窓を開けてあげたら無事戻ってきた。なな丸くんと虎太郎くんは、シャーシャー言うみるくちゃんのことをしっかり見守ってくれていた。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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