キャンプ場で茶トラの野良猫が膝の上に! ふたご座流星群を見に行ったら運命の出会いが待っていた
2019年12月、神奈川県に住む清水さん一家は、星空のきれいな南伊豆にキャンプに行った。ふたご座流星群が見られる頃だった。そこで出会ったのは茶トラの野良猫。先住猫がいたので最初は飼う気はなかったが、氷雨に濡れてテントにやってきた姿を目にして放っておけなくなった。
■キャンプ場に現れた猫
テントを設営していると茶トラの猫がやってきて、日向ぼっこしながら、そして昼寝を始めた。「私たちは大の猫好きなので、人懐っこくて可愛い猫をすぐに気に入りましたが、すでに2匹の猫を飼っていたので、最初は家族に迎えようとは思っていませんでした」。キャンプ場の管理人によると、その年の夏頃やってきて住み着いた野良猫で、猫好きの管理人が世話をしているということだった。キャンプ場には、他にも野良猫がいた。
茶トラ猫は、よそのテントにも遊びに行っていたが、清水さん一家が近所のスーパーで猫缶を調達、エサをあげると、急激に仲良くなった。夜は清水さんの膝の上で、一緒にストーブで暖を取りながら星を見て過ごした。
■雨に濡れそぼった猫を放っておけず
明け方に少し雨が降り、その茶トラ猫は濡れた姿でテントまでやってきて、しゃがれた声で鳴いていた。その姿を見た清水さんは、「こんなにかわいい子が、冷たい雨に打たれて寒さに耐えながら冬を越すなんてかわいそう!」と夫と相談。キャンプ場の管理人に「うちで飼いたい」と伝えたところ、「ぜひ連れて行ってください」と快諾されたという。
キャンプ2日目は観光や温泉にも行ったが、猫をどうやって連れて帰るかで頭がいっぱいで、ほとんど記憶にないという。キャンプ場へ戻るときに、一番おいしそうな猫缶と、キャリーケースをホームセンターで購入し、夫婦で翌日の捕獲作戦を立て、うまくいくかドキドキしながら朝を迎えた。
翌朝早く、テントにやってきた茶トラ猫は、そのまま清水さんの寝袋の中で寝始めた。その間にさっさと撤収を始め、茶トラ猫が起きたら、おやつでキャリーケースに誘導。すんなりと入り、簡単に捕獲に成功した。
すぐにテントを片付け、自宅の横浜まで戻り、動物病院で体調チェックと予防注射を済ませた。獣医師によると、おそらく2~3歳の若い猫で、健康状態は良好、猫エイズや白血病も陰性ということだった。安心して一家の一員として迎えた。
■雄叫びをあげて先住猫を威嚇
名前は、出会った場所が、海の見えるキャンプ場だったので、イタリア語で海という意味の「まぁれ」と名付けた。先住猫がいたので、一部屋を新入り猫専用部屋にして、対面もケージ越しにならしていこうとした。だが、まぁれくんは先住猫に縄張りを主張するための雄叫びをあげ、威嚇した。去勢手術をしてから少し落ち着いたが、ケージから出すと、お坊ちゃんの1匹の先住猫はまぁれくんに攻撃され、おしっこを漏らしてしまうほどだった。
「人間にはとても人懐っこいのですが、キャンプ場で他の猫に追いかけ回されていたせいか、猫が苦手なのかもしれません。それ以来、ずっと先住猫とは部屋を分けています」
最近はようやくストーブの周りにみんなで集まって過ごせるようになった。しかし、いまだに先住猫たちに飛び掛かろうと、虎視眈々と隙を狙っているので、まだまだ目が離せない。
得意技はでんぐり返しで、腹時計が超正確。まぁれくんは、行動や鳴き声がおやじくさくてコミカルで面白いので、見ていて飽きないという。看護師の清水さんはコロナ禍、なかなか友人や夫以外の家族とも会えず精神的に辛いこともあるが、まぁれくんら猫たちの存在が癒しになり、ステイホームも苦にならないという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)