「猫キャスト」をモフる 癒しを求める「おひとり様専門店」も…<おもしろ業界用語・猫カフェ編>

猫とのふれあいに癒しを求めて訪れる猫カフェ。お店の形態はさまざまあるが、猫が主役という珍しい世界。だったら業界用語は猫語? さぞかし変わっているかと思いきや意外にふつう。

■よく考えたら「猫カフェ」という名称そのものが変わっている

猫と遊べるカフェ形式の飲食店ということは分かっていても、猫カフェの定義ってじつは曖昧ではないだろうか。猫カフェ勤務のSさんに聞いた。

「ぶっちゃけていえば、お店の主が『当店は猫カフェです』っていったら猫カフェなんですよ。もちろん、猫ちゃんがいることは大前提ですけど」

猫カフェ発祥の地は台湾の台北市で、1998年に世界初のお店が開店したそうだ。日本では2004年、大阪の梅田に最初の猫カフェができた。まだ歴史の浅い業界だ。

「一般的には『猫と一緒にいる空間を提供する飲食店』を猫カフェと呼んでいます」

ちなみに「猫カフェ」をはじめ「メイドカフェ」「ふくろうカフェ」「給食カフェ」、その他テーマに特化した世界観をウリにする形式のカフェを「コンセプト系カフェ」という。

■「スタッフ」「園児」「キャスト」 メインのスタッフは猫

「猫カフェの主力スタッフは猫ちゃんたちです。世話をする人間のスタッフはいますが、接客は猫ちゃんの仕事。猫ちゃんのことを『猫スタッフ』と呼ぶお店もあるくらい重要なポストです(笑)」

つまり「一緒にいて癒しの空間を演出してくれる」という意味で、猫はなにより大事なスタッフなのだ。

「ほかにも『猫キャスト』とか、なぜか『猫園児』と呼んでいるお店もあります。幼稚園児みたいな可愛らしさを表しているのかも」

「スタッフ」と呼ぶ場合、人間のスタッフと紛らわしくならないだろうか。

「お店にもよりますが、人間のほうをスタッフと呼んで、猫ちゃんのほうは『キャスト』と呼んでいるみたいです」

店内では基本的に、猫はケージから出て放し飼いにされている。店内なら、どこへ行こうと自由だ。

「店のレイアウトによって、大きく3タイプのお店に分かれています」

基本的に飲食店なので、飲食をするためのスペースが必要だ。猫とふれあえる空間と飲食スペースが一体になっている「一体型」。分かれている「セパレート型」だ。そして「個室型」というのもある。

「マンガ喫茶みたいな個室になっていて、気に入った猫ちゃんと1対1でふれあえます」

■疎外感も人目も気にしなくていい「おひとり様専用猫カフェ」

「私の感覚では、現れるべくして現れたなと思っているのが『おひとり様専用猫カフェ』です。お客さんの多くは、カップルとか友達どうしで来店されます。独りでお店に入ってくるお客さんもいらっしゃるんですが、疎外感や寂しさに耐えられなくて、時間が余っているのに帰ってしまわれるケースが少なくないのです」

周りがカップルや友達どうしばかりのところへ独りでいたら、居心地はよくないかもしれない。

「おひとり様専用猫カフェ」は、そんな客にも周りに気兼ねなく楽しんでもらおうというコンセプトのお店だ。だったら「個室型」とどう違うのだろう。

「店内のキャットタワーや本棚の配置は、視界を遮る空間が多くなるように工夫されています。他人の目を気にすることなく自撮りしたり、猫ちゃんと遊んだりできます」

ところで、猫カフェの料金って時間制なの?

「料金設定は、お店によっていろいろです。1時間600~1000円程度の『時間制』だったり、入り口で定額料金を払ったらあとは自由な『入場料制』だったり。あるいは入場料プラス1オーダーが必須の『マストオーダー制』といいうのもあります」

最後に業界用語から離れるが、カップルや友達どうし、あるいはおひとり様でも、猫カフェを利用する際に必ず守ってほしいマナーがあるという。

「手の消毒は常識として、基本的には次の3つです。『眠っている猫ちゃんを起こさない』『ごはんを食べているときに触らない・邪魔しない』『嫌がっているのに追いかけたり無理に抱っこしたりしない』ことです」

そして、ひっかかれたり噛みつかれたりしたら、自己責任だそうだ。

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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