地域猫活動が受け入れられず、猫26匹が「処分」の危機に!…命救うため、京都のボランティアが保護施設を開設

猫たちを守りたい…公園に住む猫たちの居場所を作ろうと、京都市内で猫のTNR活動などに取り組むボランティアたちが保護施設「保護猫ハウス まなねこ」を開設します。保護猫ハウスのボランティアメンバーによると、地元の自治会などが近所住民らの苦情を理由に公園の猫たちの処分を検討していることから、急きょ一時的に保護するための施設を作ることを決めました。開設予定の2月2日から、公園内の猫26匹を順次保護していくといいます。

保護猫ハウス副代表の「ならまる~難病猫チャッピーの記録~」(@NyanNekoneko2)さんは「私たちの代表ボランティアが『TNRなど不妊去勢手術を進めて地域猫にしたい』と要望し、地元の自治会長と何度も話し合いましたが、納得していただけませんでした。具体的には処分の日程について告げられておらず、猫たちがいついなくなってもおかしくない状況です。一刻も早く保護を進めていかなければ」と話しています。

■近所からの苦情を理由に、地元自治会が公園の猫たちの処分を検討 TNRなど地域猫活動受け入れられず…

「保護猫ハウス まなねこ」の開設に関わっているのは、京都市内のとある公園に住む猫たちを見守っているボランティアの方々です。昨年12月、保護猫ハウスのメンバーで施設長の男性がいつものように公園内を猫たちの見守りをしていたところ、地元の自治会長から「餌はやらないでくれ。近所から苦情がきてる」などと忠告されたといいます。そこで保護猫ハウスの代表「らくさいキャット」(@Rakusaionlycat)さんが、不妊去勢手術を進めながら地域猫として管理していきたいとの意向を自治会長と協議。受け入れられず、最終的には「あるところに頼んで(猫たちを)処分してもらう」とまで、自治会長に詰め寄られたといいます。

■地元ボランティア、猫たちの居場所を確保しようと保護施設の開設を計画

このままでは猫たちの命が危ないと考えたボランティアたちは、公園にいる猫たちの居場所を確保しようと保護施設の開設を計画。1月に入って京都市内の空き家6DKの古民家を借りることができ、2月開設を目指してリフォームを進めてきました。

また、保護猫ハウスの「まなねこ」という名前の由来は、代表のらくさいキャットさんが「愛猫(あいびょう)」のことを「まなねこ」と読み間違えていたことからだとか。何となくかわいらしくコロコロと転がったりする猫らしさを感じるネーミングだということで付けられたそうです。

   ◇   ◇

■地域猫活動への理解深まらず…施設副代表「猫たちが処分されてしまう」

近年、京都市内のボランティアたちのように野良猫に不妊去勢手術をして「地域猫」として管理・見守っていく活動をする方々が増えており、その活動に支援をする各自治体の動きが広がっています。確かに、地域猫の活動はふん尿被害や野良猫が子猫を産んで増えてしまうなどの近隣トラブルを減らせるという有効性は認められてはいるものの、地域によっては活動の理解が深まらず…ボランティアを「単なる餌やり」として誤解されてしまい、猫への苦情が後を絶たないところもあるようです。

こうした背景などから地域猫への理解が深まらない地元住民とのあつれきを避けるために、京都市内のボランティアたちが知恵を絞って開設するのが「保護猫ハウス まなねこ」です。

保護施設の立ち上げから関わってきた副代表のならまるさんは、この公園で昨年7月上旬ごろ、保護された猫・チャッピーくんを家族に迎え入れました。「チャッピーは、少し動くだけで骨が折れてしまうという原因不明の病を抱える子猫でした。緊急性が高いとボランティアのメンバーが判断して保護。今は懸命に病気と闘っています。その公園には今もチャッピーを守ってくれた母猫がいるんです。地元の自治会の方に理解していただけないのが残念ですが…『あるところに頼んで処分』というのは、1匹数千円で猫を山に埋めるなどして処分する業者があるようです。とにかく処分されないうちに猫たちを保護していきたいと思います」。

空き家をリフォームして「保護猫サロン まなねこ」開設 2月から猫たちを順次保護へ

保護猫ハウスのボランティアメンバーたちは2月から、公園の猫たちを順次保護していく予定ですが、まずは保護できた順に駆虫薬や検査、ワクチン接種などを実施。そのあと、保護猫ハウスに連れて行き不妊去勢手術に向けて体力をつけさせ、時期を見て動物病院に連れて行き手術をするといいます。同時に、猫たちの里親探しに取り組むそうです。

保護猫ハウスについて「“古民家カフェ”のような雰囲気のハウスにできたらいいなと思っています。完全素人ではありますが、土壁と畳の補修のやり方をネットで検索しながらリフォームしたり、拭き掃除や家の周りの片付けをしたりと毎日行ってきました。猫のストレスにならない、過ごしやすい家づくりを目指しています」とならまるさん。「もちろん家賃や補修費などもかかりますが、26匹の猫を一斉に保護するとなると病院代も膨大にかかります。もし少しでもご支援をいただけたら幸いです」と訴えています。

現在、猫たちの里親をはじめ、保護活動を手伝っていただけるメンバーも募集中。このほか、保護猫ハウスに入居する猫たちのための支援物資などもお願いしているそうです。

問い合わせは、「mananecohouse@gmail.com」もしくは、まなねこの公式LINE「927kbexa」で検索し友達追加をお願いします。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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