譲渡会で夫婦それぞれ一目惚れした子猫たち 迎えた直後に1匹が体調を崩して…寂しさのあまり丸一日大号泣

猫のゴマちゃんとムギちゃんは、それぞれ別の場所でボランティアに保護された。家を購入したのを機に猫を飼おうと思った野中さんは、譲渡会に参加。茶トラの猫を探していたのだが、ゴマちゃんに出会って夫が一目惚れした。

■ゴマちゃん、必死のアピール

ムギちゃんは、静岡県磐田市にある本屋さんの隣でニャアニャア鳴いていたところをボランティアが保護したという。ゴマちゃんは、静岡県磐田市で多頭飼育崩壊した家の成猫を保護した時に保護された。

静岡県に住む野中さんは、もともと動物が大好き。実家でも猫を飼っているので、家を買ったのを機に「飼いたいね」と夫と話していた。「猫を飼おうと思っている」と、ママ友に話したところ、「もし種類を問わないのなら、団体さんのところにたくさん保護猫がいるよ」という話を聞いた。野中さんは、早速ブログやインスタをチェックして連絡。2020年10月31日に譲渡会に参加した。

「最初は、今まで茶トラの猫を飼ったことがなかったので、茶トラちゃんが飼いたい!と決めて参加しました。でも、ゲージの中に入っている同じくらいの大きさの猫の後ろに隠れ、小さな声で必死に威嚇しているゴマを見つけたんです。夫が一目惚れしてしまい、この子は絶対に家族にする!と一瞬で決めました」

■ 最後にひょっこり現れたムギちゃん

最初はゴマちゃんだけトライアルしようと思ったが、どこに隠れていたのか最後の最後にひょっこり現れたのがムギちゃんだった。大きなゲージの後ろから顔を出したのを見て、今度は野中さんが一目惚れをした。

「最後に自分から顔を見せてくれるなんて運命だよ!」と言い張り、1匹だけ家族に迎えるつもりが2匹トライアルを申込んだという。ゴマちゃんは生後2、3カ月、ムギちゃんは生後6、7カ月だった。

 11月2日、月曜日にボランティアが家まで2匹を届けてくれた。被毛の色や柄にちなんで、それぞれゴマちゃん、ムギちゃんと名付けた。

ゴマちゃんはすぐにゲージから出たが、そのまま棚の下に入って威嚇していた。ムギちゃんはなかなかゲージから出なかったが、数時間後に出てきてソファーの下に隠れていた。

初日はごはんを用意して寝たが、翌朝になっても減っていなかった。2日目、ゴマちゃんは朝起きたら怯えながらも出てきて触らせてくれた。ムギちゃんは出てくる気配さえなかった。夜になって夫が夜勤で家を出ると、ムギちゃんも出てきてソファに座っている野中さんにくっついてきた。野中さんは、すぐにメロメロになってしまったという。

■夜勤で夫がいない寂しさも猫が癒してくれる

ゴマちゃんはとても甘えん坊で、野中さんの友達が遊びに来ると膝の上に乗ってゴロゴロ喉を鳴らす。ムギちゃんは警戒心が強く、物音にも敏感。朝、家事を終えて一段落した頃に足元に現れ、寝室の布団まで誘導して甘えん坊タイムが始まる。

「顔に頭突きしてくるほど食い気味に甘えてくるんです。夫にはまだ甘えないので、ちょっと優越感を感じます」

トライアル4日目あたりからムギちゃんはお腹の調子が悪く、下痢をするようになった。様子を見たが、翌日も良くならず、病院に連れて行った。風邪をこじらせていると言われ薬を与えたがなかなか良くならず、むしろ悪化しているようだった。

ゴマちゃんはムギちゃんのことが大好きなので、かまってほしくて、くっついてはちょっかいを出してしまう。また、ムギちゃんは警戒心が強いので心が休まらないのではないかと思い、野中さんは、一度ムギちゃんを団体に返した。

「寂しすぎて丸一日大号泣してしまいました。むぎをあきらめきれず、体調が良くなったら再度トライアルさせてほしいとお願いしたところ、快く了承してもらいました」

一週間後、またムギちゃんがトライアルに復帰。覚えていたようで、ゲージを開けるとすぐに出てきて甘えてくれた。野中さんは、また大号泣したという。

正式譲渡が決まり、2匹を迎えた野中さん。よく猫に話しかけるようになり、夜勤で夫がいない時も寂しくなくなったという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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