もう猫は飼わないと決めていたのに…抱っこしたら気持ちを抑えきれず 今では理容室の看板猫に
北海道で理容室を営む嵯城さんは17年間一緒に暮らしてきた愛猫のミャーちゃんを亡くした。もう一度猫と暮らしてみたいけど、飼うと別れがやってくる。そう思うと、次の猫を飼う気になれずにいた。しかし、地方紙に掲載されている里親募集の記事にはいつも目を通していた。
■17年間可愛がってきた愛猫を亡くす
嵯城さんは、2015年7月22日に愛猫のミャーちゃんを亡くした。17歳だった。ミャーちゃんは、当時5歳だった長男がマンション裏で段ボールに入っていた子猫を発見し、息子から「お世話をするから飼っていい?」と懇願されたので飼った猫だった。ミャーミャー鳴くから、息子が「ミャーちゃん」と名付けた。ミャーちゃんは、5歳くらいの時に腎臓の病気になり手術をしたのだが、無事に帰ってきた時は、みんなで大喜びしたという。ミャーちゃんは、家族のアイドルだった。
生き物は亡くなると悲しいので飼わないでおこうと思っていた嵯城さんだが、飼わなければ飼わないで寂しい。地元紙を見ていたら、そこにアニマールという旭川市の保護施設の情報が載っていた。アニマールでは、犬や猫を保護しているが、里親が決まらなければ殺処分になる。里親はWebサイトで募集している。嵯城さんは、アニマールにいる猫を見に行くことにした。
■見るだけのつもりが…
2015年7月31日、アニマールに行くとたくさんの猫がいた。見るだけのつもりだったが、抱っこすると飼いたくなった。嵯城さんは、ミャーちゃんに似た柄の猫を引き取ることにした。生後2カ月くらいで、とても小さかった。どこかの家で産まれた猫で、飼い主が持ち込んだという。人懐っこい猫だった。
アニマールでは2時間の講習を受講すると里親になれるので、嵯城さんが受講。ミャーちゃんが亡くなった時に、キャリーケースやトイレなどのグッズを捨てたので、ダンボール箱に入れてもらってきた。次男が、好きなアイドルの愛称にちなんで、ななまるくんと名付けた。
■2匹目も譲渡してもらうことに
ななまるくんを家に連れて帰った1時間後、嵯城さんは、もう一度アニマールに行った。兄弟のように一緒にいたもう1匹の猫を譲渡してもらうためだった。
虎太郎くんはななまるくんと同じケージで暮らしていた猫で、片手に乗るくらいの大きさだった。柄が虎に似ていたので、奥さんが虎太郎という名前にした。虎太郎くんはダンボールに入れてもらってきたが、帰りの車の中でフタを留めていたテープをはがして外に出ようとして、抑えるのが大変だったという。
2匹は、血はつながっていないが、ずっと一緒にいたので兄弟のように仲が良かった。嵯城さんは理容室を経営しているが、ななまるくんは、猫好きなお客様が来ると店に出てくる。人懐っこいので、接客上手誰にでもスリスリする。おやつをくれる人が分かっていて膝に乗る。虎太郎くんは、身体は大きいが少し臆病な性格。家族には懐いているが、他人が来たら隠れてしまう。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)