彼女の体調に配慮したデートプランにチャレンジ!男性も「生理」を楽しく学べるボードゲームが誕生
男性読者の皆さんは、家族や恋人や職場の同僚など、身近に生きる女性の「生理」についてどこまでご存知だろうか。「生理を理由に怠けている」「機嫌が悪いのは生理だから」などといった理由で十分な知識がないまま悪いイメージを抱いている人はいないだろうか。
今まで「女性にしか分からない」とされてきた生理や体の内側のこと。それを男性も楽しく理解できるボードゲームがある。女性の体内周期に合わせて最適なデートプランを作るゲームだ。
ゲームは女性役と男性役に分かれる。女性の体内周期を四季に例え、「冬は生理の時期」「秋は生理前だから、体がむくみイライラしやすい」「夏は魅力的に、自分らしくいられる」などと、時期によって異なる体調や心の状態を理解し、男性側がプランを作りプレゼンし合う。
ゲームを通じてコミュニケーションが生まれるため、男性側の理解度や女性側の気持ちを話し合うきっかけにもなる。
このボードゲームを開発したのは、元田きょうへいさん。元田さんは「月経ジェントル研究所」の所長を務め、男性をターゲットに生理への理解を促すことで、男女の理解を深めるための活動を行なっている。
実は数年前まで、元田さん自身も「生理について詳しくない男性」の一人だった。「女性によって生理痛が重さや軽さが違うことさえ知りませんでした。なんとなく大変なんだろうな、という軽い気持ち」
生理の勉強を始めたきっかけは、元田さんのパートナーがひどい生理痛で救急車に運ばれたこと。元田さんは心配でうろたえ、「男性である自分はこんなにも無力なんだ」と感じたことで、「彼女の辛さを分かりたいと思い、生理に関する知識や歴史を勉強するようになりました」。
知識を深めた元田さんは、パートナーの生理痛が重い原因は「ストレス」なのではないかと考えた。
「彼女は学生時代、ハードなバスケ部に所属していました。顧問の先生が男性だったこともあり、生理で辛いときも休めず、時には倒れてしまうことも。それがスタンダードとなったまま社会人になり、再び周囲は男性だらけで、また休めない…。そんな負担が彼女を苦しめていたのだと思います」
元田さんは、「社会の変化に伴って、生理のあり方も変わっている」と指摘。出産回数の減少による月経回数の増加、生理用品や鎮痛剤の充実によるものだ。
「生理期間も快適に過ごせるツールが増えたことで、女性は生理のしんどさを隠せてしまうため、男性はその問題に接する機会がありません。結果的に生理がどんなものか伝わらないんです」
そんな男女の乖離を解消するためには「男性の生理への価値観をアップデートすることが必要だ」と元田さん。正しい知識を持って、「ジェントル=紳士的」なコミュニケーションができる男性が増えることを目指したいという。
情報発信を始めた当初は「男性が生理を語るなんて」と抵抗を感じていたそうだが、活動を続け、同じ思いに共感する男性が増えた今、「男性が生理を語ることに意味がある」と話す。
「僕が目指すのは、誰もがハッピーに生きられる社会を作ることです。この活動を通して、そんな社会の入り口を作っていきたいと思います」
(まいどなニュース特約・桑田 萌)