スーパーの駐車場にいたボロボロの猫を放っておけず保護 今では「お魚くわえたどら猫」…逃走するほど元気に
福井県に住む二宮さんの夫がたこ焼きを買いにスーパーに出かけたら、駐車場にボロボロの猫がいた。人間にたとえるなら物乞いをするような顔をしていて、今にも倒れそうな猫を放っておくことができず、夫妻は猫を保護した。猫は交通事故に遭ったことがあるようだった。
■スーパーの駐車場にいたボロボロの猫
2016年4月、福井県に住む二宮さんの夫が近所のスーパーにたこ焼きを買いに行った時、駐車場で、まるで物乞いをしているかのようなボロボロの猫を見かけた。話を聞いた二宮さんは、居てもたってもいられなくなり、夫婦で保護しに向かった。猫は骨が浮くほどガリガリに痩せていて、ふらふらしていたのですぐに捕まえることができた。
交通事故に遭ったのか、獣医師に診てもらうと骨盤が骨折し、内臓も移動していた。そのうえ、保護して数日後に突然お産の準備を始めたかと思いきや流産してしまった。
「栄養失調でお腹の子猫が育たなかったようです。骨盤の大手術をするために募金を集めましたが、結局経過観察することになり、今に至ります」
■里親が決まらず、うちの子に
猫は、ものすごくお腹が空いていたようで、とにかくガツガツよく食べた。体力が落ちていたせいか、威嚇することもなく、割とすぐに慣れてくれた。目がとても大きい猫だったので、二宮さんは「ふっくらしたら美猫になるだろうな」と思ったそうだ。
地元のボランティアが開催した譲渡会にも「仮名 たこやき」として何度か出た。お見合いに来た人もいたが、ずっと里親が決まらず、そのまま二宮さんが飼うことになった。
先住猫が「だいずちゃん」という名前なので、それにちなんで「あずきちゃん」という名前にした。豆シリーズになって覚えやすく、気に入っているという。
■留守番も2匹一緒だと思うと安心
最初は、だいずちゃんとは別の部屋に隔離した。目力の強い子で、人の顔をじーっと見つめるのが印象的だった。その後部屋を開放したら、あずきちゃんはだいずちゃんと仲良くしたい様子でよく近くに寄っていったが、だいずちゃんは拒否! けんかすることはなかったが、べったり仲良くすることもなく、付かず離れずのいい距離間を保って生活している。
性格はあっけらかんとしていて、骨盤骨折しているハンディを感じさせない。よく遊び、とても元気に走り回っているという。
「最初の頃は 本当に、サザエさんの歌に出てくる『お魚くわえたどら猫』という感じで、キッチンにあった食べ物をくわえて逃走していました。よほど野良時代に飢えていたのだろうと思います」
2匹目をひょんなことがきっかけになり保護した二宮さん。留守番も2匹で一緒に居ると思うと、安心して出かけられるようになったという。
「だいずとあずきが仲良しになることは無さそうですが、あずきの里親さんが決まらず、うちの子になってくれて今となっては本当によかったと思います」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)