クラブハウス寄席が連日大盛況 ルームに500人以上のリスナーも…立ち上げたのはFM802DJ

いま話題の米国発招待制音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」上で開かれる落語会「#Clubhouse寄席」が、連日大盛況となっている。

毎週水、土曜の午後10時から開催され、#Clubhouse寄席のルームには500人以上のリスナーが訪れる日も。落語家の桂紋四郎さん(33)、桂雀太さん(43)、笑福亭笑利さん(37)、桂九ノ一さん(25)らとともにクラブハウス寄席を立ち上げ、モデレーター(司会役)を務める大阪のラジオ局・FM802のDJ樋口大喜さん(29)に話を聞いた。

2月13日に開催されたクラブハウス寄席。この日は樋口さんをモデレーターに紋四郎さん、笑利さん、九ノ一さんと講談師の旭堂南龍さん(40)、東京から林家けい木さん(29)が出演。全員が一同に集まるのではなく、自宅などそれぞれの場所から一席演じた。

大阪市の寄席・天満天神繁昌亭で高座に上がった経験がある樋口さんは1月末、クラブハウス上で偶然、紋四郎さんや笑利さん、九ノ一さんと出会った。「クラブハウスで寄席ができるんじゃないか」と意気投合。同市の此花千鳥亭での公演を「第0回クラブハウス寄席」として、マイクの横にスマホを置き同時配信。雀太さんも加わり、その後10日連続での寄席が始まった。

2月に入ってから爆発的にリスナーが増えた。古典落語の「時うどん」演目中にアクセスが集中してつながりにくくなるハプニングも発生。通信が切れなかった別の落語家が、途切れた部分から「時うどん」をつなぎ、リレー方式で演じきったという。「神回と言われている。一体感がすごかった。サーバーが落ちてはつなぐ。まさに無限列車編って感じですね」と樋口さんは話す。

東京でも毎週火・金曜に、立川かしめさん(31)の手によって「#お江戸Clubhouse寄席」が始まった。コロナ禍や緊急事態宣言の発出で、想定していたイベントや公演が中止になる中、樋口さんは「動きを止めてはいけない。新しいコンテンツとして広げていきたい」と意気込む。収益化こそ未知数だが、落語やトークの腕をクラブハウス上で磨いている。

クラブハウス寄席の最終目標は、やはり実際の寄席への集客だ。「あくまで落語の入口。これが目的ではない。クラブハウス寄席がきっかけで、実際の寄席で落語を生で体感してほしい」と強調する。反響を受け、3月11日は繁昌亭、17日は東京・お江戸両国亭で生クラブハウス寄席を開催するが、東京公演はすぐに完売。繁昌亭もソールドアウト間近だという。

クラブハウスというSNSを「テキストではなく声のSNSなので、体温感がある。コロナ禍で人と人との距離が遠ざかってしまった今、異業種の人とダイレクトにつながれるのも大きい」と話す樋口さん。音声SNSと落語の親和性は最高。クラブハウス寄席には、同じ会場に来ているような一体感と温かさがあった。

(まいどなニュース/デイリースポーツ・杉田 康人)

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