「遊び歩いてるから」「近くにいたら感染する」…コロナに感染後、職場復帰した彼への陰険な“コロハラ”
新型コロナウイルスによって落ち着かない日々を過ごしている私たち。ウイルスに対抗する薬やワクチンの製造が急がれる中、身近なところでも感染者がでています。私の友人の職場でも新型コロナウイルス感染者が出たそうですが、回復者に対して「コロナハラスメント」が見られたといいます。友人にレポートを寄せてもらいました。
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■同僚が新型コロナウイルスに感染
私の職場のAさん(20代、男性)は年末年始に新型コロナウイルスに感染。Aさん自身は不要不急の外出などを特にしておらず、「なぜ自分が感染者になってしまったのか」と思ったそうです。
職場の対応としては年末年始休業中での感染だったので、職場内に濃厚接触者はいないという扱いになり、消毒作業などはせず、私たちは通常通り年始より仕事始めということになりました。
Aさんが感染者だということは社内で共有されておらず、数日経ったときに「もしかして…」という噂のような形で耳にするようになりました。
私はAさんとは部署が違うのですが、休憩所などや廊下などで顔を合わせることもあるので「いないなぁ」と思っている程度でしたが、数日後休憩所にてAさんと同じ部署のBさんから実は新型コロナウイルス感染で療養していることを聞きました。
■復帰後のコロナハラスメント
2週間後、Aさんは無事職場復帰してきました。少し痩せた印象はありましたが元気に戻ってきてくれたことに安堵しました。しかし、職場の人すべてが私と同じ気持ちではありませんでした。
20代という若い年齢のせいか、「遊び歩いてるから感染したんだ」「まだ、ウイルスが付着しているかも。近くにいたら感染する」などと、Aさんを誹謗中傷する人もいたのです。
ある日、Aさんを見かけると喫煙所にて周りの人から距離を取られている姿を目にしました。私にはその姿が心なしかその場に居づらいように見えました。Aさんはその後、人のいない時間帯に喫煙所に向かうようになりました。
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■コロナハラスメントで辛い思いをさせない
新型コロナウイルスは感染ルートが公表されていても目には見えないウイルスの為、完全に防ぐことは難しいです。
万が一、感染者が職場や友人に出た場合に感染者の回復を喜ぶのではなく、感染した経緯を勝手に推測して非難するという行為はハラスメントにあたります。
体験を寄せてくれた友人は「感染者になってしまったすべての人が、自粛をせずに感染したわけではありません。コロナハラスメントでお互いに辛い思いをしない、させないために私たちは思いやりをもって行動していくことが大切だと思います」と話していました。
(まいどなニュース特約・長岡 杏果)