かすれた声で鳴き続けていた子猫を手づかみで保護、当時と変わらぬやんちゃっぷりに家族の会話が増える

猫の預かりボランティアをしている中原さんは、どこかから猫の鳴き声が聞こえてくるので気にしていた。3日間も鳴き続けていたが、姿が見えない。深夜、譲渡会から帰ってきた中原さんは、必死で猫の居場所を突き止めた。

■深夜、鳴き続ける猫を捜索

2020年10月、日曜日の深夜、大阪府で猫の保護活動をしている三井さんは、譲渡会に参加して帰宅した。遅い時間だったが、預かりボランティアをしている中原さんの奥さんから連絡があった。3日前からずっとニャーニャー鳴いていた猫をやっと見つけたのだという。

中原夫妻も三井さんと同じ譲渡会に参加していたので、夜に帰宅後、保護に向かったようだった。

ずっと鳴き声だけ聞こえて気になっていた猫。どこにいるのかさっぱり分からなかったが、やっとの思いで夫がみつけ、奥さんが三井さんに連絡、三井さんが保護に向かったという。

■「噛まれても離さない」という思いで保護

三井さんが駆け付けると、中原さんが猫を見守っていた。道路沿いの飲食店の植木鉢の後ろに小さな子猫が隠れて鳴いていた。キジトラ猫だった。身体は小さいが声は大きい。

狭い場所なので捕獲機などの機材を一切入れられない。万が一逃げられたら、見つけられるかどうかも分からない。三井さんは狙いすまして手を伸ばし、反撃して噛んでくる子猫を「絶対に逃がさない」と思いながら保護した。

中原夫妻は転勤族なので、保護した子猫を迎え入れることができないと悩んでいた。しかし、当時預かっていたキキちゃんとヤンちゃんを我が子にしたいと言ってくれた。三井さんにとってはミラクルな朗報だった。

■やんちゃなミニーちゃんと優しいしっぽくん

保護した当初は、威嚇してものすごい声で鳴いた。かすれた声なので、三井さんは「がぁこちゃん」という仮の名をつけた。

ケージに付いている水入れにおしっこを器用にする斬新な子猫だった。

パノニカスペイクリニックの譲渡会で、大阪府に住む成瀬さんと縁が繋がり、がぁこちゃんは嫁入りした。初日は三井さんと中原さん夫妻が大切ながぁこちゃんを連れてきてくれた。名前は、小さいからミニーちゃんにしたという。先住猫のしっぽくんは、ミニーちゃんを見るとシャーシャー怒ったが、1週間もすると慣れて、いまはいい遊び相手になってあげている。

ミニーちゃんは譲渡当時体重1㎏だったが、1カ月で1.6㎏になり、いまは1.9㎏にまで成長した。家族全員猫好きなので、しっぽくんとミニーちゃんがいたずらをした話などで、家族の会話が増えたという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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