卒業式前日、本を貸していた先生から渡された手紙に感動「一生の宝物です」
この春、高校を卒業したばかりのツイッターユーザー「val@読書垢」さん(@GV3248)が投稿した1枚手紙が静かな感動を呼んでいます。高校の教科担当の先生との本を通じた交流に、ネット上では「素敵な体験ですね」「すてきな話をありがとう」などの声が寄せられています。
■思いがけない手紙…「一生の宝物です」
val@読書垢さんは2月20日、「仲の良い先生が、あまり物語の小説は読まない。とおっしゃっていたので、僕の大好きな本を2冊貸してました。卒業式の前日に本を返却されて、その封筒の中に手紙が入ってました。自分の影響で小説を好きになってくれた!と思うと、とても嬉しくて泣けてきました。この手紙は一生の宝物です」と投稿。
先生の手紙には、貸してくれた2冊のお陰で苦手だった小説への抵抗がなくなった。良いきっかけを与えてくれてありがとう。卒業しても読書の時間を大切にーーと、シンプルながらも感謝の気持ちがしたためられていました。
■本の話できる人がいなくて…
投稿主さんに話を聞きました。
ーーいきさつは?
「授業の中で、有名人のエッセーを読み自由に感想を述べる機会がありました。その時に自分が読書好きということを書くと、先生からおすすめの本を教えてほしいとコメントがあり、2冊をお貸ししました」
ーー手紙を読んだときは?
「読書のことを話せる人があまりいないため、自分の紹介した本で感動して、読書を好きになってもらったと思うと、うれしさと感謝の気持ちでいっぱいになりました」
ーー先生に貸した本のタイトルは?
「『漁港の肉子ちゃん』(西加奈子)と『レインツリーの国』(有川浩)です。先生は真面目で生徒に寄り添ってくれる先生です。いつも忙しそうなので、比較的短時間で読めるページ数で、僕が読んでさまざまなことを学び感動した本を選びました」
■時間と資金…高校生のリアル読書ライフ
普段からツイッターに読書記録をするval@読書垢さん。1月は41冊を読了しました。
「本を読む時間は、朝起きてからスケジュールがある時はその時間まで、夜は勉強の休憩時間や、終わった後に眠たくなるまで読んでいます。本の購入資金は、1年生の時から続けているバイトのお金で、お給料の金額に合わせて1カ月の購入を決めています」
この春からは、将来の夢を叶えるためにIT関係の専門学校に入学するそうです。今後の読書記録も楽しみです。
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LINEの調査サービス「LINEリサーチ」は今年1月、全国の高校1年生から3年生の男女に読書に関する調査を行いました(調査期間2021年1月13日から14日、有効回収数1045サンプル)。「ふだん読書をするかどうか」の質問に全体の約8割が「読書する」と回答。「月に1冊くらい」が最も多く全体の約3割、次いで「月に2から3冊くらい」が2割強でした。
(まいどなニュース・金井 かおる)