「備蓄用食料」がごちそうに! …大学の先生が教える意外な活用レシピ「賞味期限が近づいてもムダにしないで!」

2011年の東日本大震災や、2016年の熊本地震、ここ数年増加する大型台風などにより備蓄用食料の必要性が叫ばれていますが、備蓄した食料はいつか賞味期限を迎えるもの。「備蓄用食料を食べなかったこと=災害が来なかった証拠」でもあり喜ばしいことではありますが、賞味期限切れの食料をそのまま処分してしまうのはもったいないですね。自宅でもできる備蓄用食料をムダにしない「活用レシピ」を、大手前大学健康栄養学部准教授の本多美預子さんに紹介してもらいました。

■備蓄の代表格「乾パン」がミルクリゾットに!

【材料の分量(1人分)】

乾パン…10個

牛乳…150cc

スライスチーズ…1枚

コンソメ顆粒…小さじ1

黒コショウ、パセリ…適量

【作り方】

①:耐熱容器に牛乳を入れ、軽くラップでふたをし600wの電子レンジで1分30秒加熱する。

②:①に乾パンとコンソメ顆粒を入れ、少し乾パンがふやけたらフォークでざっくりとつぶし、チーズをのせ、再び600wの電子レンジで1分加熱する。

③:黒コショウとパセリをのせて完成。

【一言コメント】

乾パンはパンを乾燥させたもの。パン粥は離乳食でも定番メニューで、生後9カ月以降ならごまが入ってる乾パンでも作れます。今回はコンソメ顆粒を入れたり黒こしょうをのせたりして、誰でも美味しくいただける食事にしてみました。

【美味しく作るコツ】

ブロッコリーや玉ねぎなど余った野菜を入れるとよりリゾット感が増します。

■乾パンにも入ってる「氷砂糖」がミニトマトのコンポートに!

【材料の分量】

ミニトマト…20個

レモンの輪切り…3枚

氷砂糖…30g

水…250cc

【作り方】

①:ミニトマトのヘタを取り、湯むきする。

②:鍋に水と氷砂糖を入れ加熱し、シロップを作る。

③:②に①とレモンの輪切りを入れ、弱火で数分煮る。

④:③を容器に入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で1晩置いておく。

【一言コメント】

氷砂糖はグラニュー糖を原料としてさらに結晶化したもの。無色透明でスッキリした甘味で切れもよいため、果物や野菜の香りや風味を損ねないという特徴があります。

【美味しく作るコツ】

レモンの輪切りを入れてください。ないときはレモン汁でも代用できます。お好みで、コンポートをヨーグルトに添えたり、炭酸水で割ってミントをのせるのもおすすめです。

■お水やお湯があれば炊ける「アルファ化米」がパエリアに!

【材料の分量(1人分)】

ミートソース缶…100g

アルファ化米…50g

ブリッコリー…30g

あさり(水煮缶)…10粒

水… 100cc

【作り方】

①:ブロッコリーは、ラップに包み600wの電子レンジで20秒加熱し、小さめに切っておく。

②:鍋にミートソースとアルファ化米を入れ中火の弱火で炒める。

③:②の水気がなくなってきたらあさりと水を入れ、さらに中火の弱火で水気を飛ばす。

④:③に①をのせて完成。

【一言コメント】

アルファ米は吸水が早いので、味がしみ込みやすく調理時間短縮になります。

【美味しく作るコツ】

まず、水ではなくミートソースを米に吸水させること。

   ◇   ◇

■忘れがちな災害時の栄養補給「ミートソース缶やあさり缶の備蓄もおすすめ!」

2018年に日本気象協会の「トクする!防災」プロジェクトが行った調査によると、備蓄を「十分にできている」、「それなりにできている」と回答した人でも、約半数(44.8%)の人が栄養補助食品や野菜ジュースなどの「健康を維持するため」の飲食物までは備蓄できていないことが判明たといいます。

おなかを膨らませることに気を取られがちですが、長い避難生活にはバランスのよい食事が欠かせません。備蓄用食料を見直すときは栄養の観点も持つことが必要です。レシピを紹介してくれた本田さんによると、「栄養補給にはミートソース缶やあさり缶の備蓄もおすすめ」とのこと。「ミートソース缶にはたまぎやにんじんやトマトなどの野菜とたんぱく質源である肉が詰まっています。あさり缶は、現代人が不足しやすい鉄の補給に優れています。日常使いしている食材の中で、常温で日持ちするものをリストアップしておくとよいでしょう」と解説しています。

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