今夜は日本酒!…飲んでほしくて、国家公務員シラフで踊ります! 農水省ユーチューバー勢揃いにファン歓喜
多才すぎる職員たちが農林水産物や農山漁村への偏愛をぐいぐい押し出してくる農林水産省公式YouTubeチャンネル「BUZZ MAFF」(ばずまふ)が、新たな話題を提供してくれました。新型コロナウイルス禍で消費が大幅減少した日本酒に携わる人たちを応援するため、若手職員らが大臣室前や地方農政局の事務所などで「日本酒ダンス」を踊ります。もはや本業以上に有名かもしれない、ばずまふユーチューバーたちによるオールスターキャスト動画にファンは歓喜。シラフで踊った皆さんに乾杯です!
コロナ禍に伴い、業務用を中心に日本酒の国内出荷量、輸出量は大きく減少。2020年は前年に比べ、国内出荷量が11%減、輸出量は13%減と苦境に陥っています。日本酒の振興を願い職員が踊っているのは「日本酒ダンス」。日本酒造組合中央会が2017年に製作したダンスで、同会はレコーディングやダンスの振り付けなどにも協力したそうです。
ダンス動画で人気のユーチューバーの指導も受けながら制作したもので、若手職員や酒造好適米の生産者らが次々に登場し、ラップ音楽に合わせ踊ります。「タガヤセキュウシュウ」でバズった九州農政局の白石さん、コンビを組んだ野田さん(現在は本省)、「TASOGARE」シリーズで知られる松岡さんらが出演しています。
ラップのシーンでは「酒米、来年は作れないかもしれない」と危機感を強調しつつ「食卓で消費されたい」「負けるか みてろよ この踊り」と屋上で若手がキレッキレのダンスを披露したかと思えば、次のカットでは、体育座りの職員に囲まれた白石さんがぎこちないステップを踏むなど巧みな構成。野上浩太郎大臣の画像も、サブリミナル風にちょいちょい差し込まれています。
5日の公開後、再生回数は4万超。「日本酒売れなくて、いろいろ頑張ってはいるのですが、動画を見てパワーもらえました」「楽しい歌なのになぜか心に沁みて泣けました!(略)みんながおいしく楽しくわいわいお酒が飲める日がまた来ますように」など熱いコメントが並びます。
動画後半で「日本酒盛り上げましょう」と呼び掛ける、ばずまふ運営メンバーで「農業遺産で太鼓たたき隊」の吉村真里菜さん=農村振興局鳥獣対策・農村環境課=に聞きました。
-力の入れようが尋常ではありません。
「出演者は総勢50人超です。昨年7月に企画が持ち上がり、製作にかかった総収録時間は493分に及んでいます。企画が持ち上がった際、私は動画を2本しか作ったことがなかったので、皆さんに助けてもらいました」
-製作に至った経緯や関係者への感謝を吉村さんが語る後半部分に心動かされたというコメントもありました。
「テイク1では『目が死んでいる』と指摘を受けました。アップされているのは4回目で撮影です。本省前でピンクの法被を着て撮影したシーンでは通りかかった人が、『何?』という目で見ていました」
-コロナ禍で厳しい日本酒は厳しい状況です。
「日本酒の産地が元気になることを祈りながら踊りました。特に、日本酒になじみの薄い若い人たちに魅力を届けたいです。私も強くはないですが毎日たしなんでいます」
(まいどなニュース/神戸新聞・竹内 章)