カラスによるゴミ散乱問題を解決するグッズが口コミで人気 繁殖期を迎える前に何とかしたい
町内会の改選など地域コニュニティーに変化が訪れる年度末。改選などに併せて、意外と多く語られるのがゴミ捨て問題です。置き場所をどこにするか問題もさることながら、地域住民の一番の「悩み」は、賢く記憶力に優れているにもかかわらず人間に最も嫌われる鳥、カラスによるゴミ散乱問題です。
■地域を悩ますカラス問題
行政が指定するゴミ袋のほとんどが黄色なのもカラス対策に効果があるとして採用されています。自治体のHPを見ても「できるだけ中身が見えないように捨てる」「生ゴミを減らす」「時間のギリギリに出す」「カラスネットを採用する」など対策案を示しており、一定の効果はありますが、どれも決定打にはなりません。何より、早朝勤務の方に8時にゴミを出せというのは現実無理ですし、生ゴミを捨てるのを減らすにも限界があるように、現代の多様化した社会の中でこうした努力は出来たとしても、パーフェクトに対処することなど不可能に近いわけです。じゃあ、どうすればいいんだということで、巷ではカラスそっくり人形や鳥よけスパイク、匂いスプレーなど数多くの商品が売り出されていますが、実は対策は意外と簡単だったのです。
■意外と簡単だった解決方法
答えは「折りたたみ式ゴミ収集ボックス」の活用です。
従来使われてきたカラスネットはしっかりと口を押さえておかないと隙間からカラスがゴミを突っつき、結局ゴミが散乱するという問題が多発しました。その点、折りたたみ式ゴミ収集ボックスはしっかりと蓋が閉じれるようになっており、カラスがゴミを突つけないという、まさに「カラス泣かせ」のツールです。戸別収集向けの一世帯用から拠点収集向けの数十世帯用までラインナップは幅広く、値段も安いものであれば4000円程度から購入可能です。値段も「からすネット」よりは上がりますが、効果はてきめんです。しかも、収集がない時は折り畳んでコンパクトに片付けておけるので、通行の邪魔などにもなりません。
ただ、注意したいのは、
・できるだけメッシュの細かいものを選ぶ
・しっかり蓋が閉じられる構造になっているものを選ぶ
・使用時にしっかり蓋を閉める
この3つです。
目が粗いものは隙間から突かれたり、蓋が閉じられない構造のものは蓋を開けて巧みに入り込んでくるケースが報告されています。ただ、未だにネットを利用してゴミ散乱問題に悩まされる人たちも後を絶たず、そのたびにボックスの活用を提案していますが、今のところボックス設置後、問題が発生したという話は聞きません。
カラス避け対策のゴミネット「カラスいけいけ」を販売し、折りたたみ式ではパイオニアである株式会社湘南総合物流(本社・神奈川県藤沢市)の担当者によると「15年以上販売しておりますが、口コミで毎年、広がっています。利用者からは、カラスの被害が減ったという声をいただいています」と認知度が上がっています。ちなみに同社の売れ線は「カラスいけいけ 大」(36800円、税別)で、管理組合、自治体、企業からのひきが強いそうです。
4月から8月はカラスの繁殖期にあたり活性があがる時期、カラス被害でお悩みの方は、今のうちに対策されることをお勧めします。
◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。