「うちの子はそんなことしません」「うちの子は被害者です」…これってモンスターペアレント?
モンスターペアレントまたはモンスターペアレンツ。それは「学校に対して理不尽な要求をする親」を意味します。要するに学校にとってのクレーマーです。…あなたの周りにモンスターペアレントのママはいませんか? 私の友人は、同じクラスのママであるAさんがモンスターペアレントだったそうです。
Aさんの子どもが学校から友達2人と帰っていたときのことです。突然、前にいた小柄な男の子のランドセルを開けて、中身を道路にばらまいて逃げたそうです。その場面を近所のおばさんが目撃し、小学校に連絡しました。
そうなれば、もちろん学校側から保護者に連絡がいきますよね。
しかし、学校を訪れたAさんは驚きの言葉を発したそうです。
「うちの子はそんなことする子ではありません。もう1人の友達にたぶらかされてやったんです。うちの子は被害者です。先生や学校はうちの子の性格をちゃんと見てくれていますか?」と。
被害者の男の子に謝ることなく、もう1人の友達に罪を押し付け、先生や学校に原因があると言い放ったのです。
その後、毎日下校時間に正門の前まで迎えに行き、「うちの子は被害者」だということを訴えたのです。
毎日のように学校にクレームを入れる…まさにモンスターペアレントといえるかもしれません。友人は、今回の件では矛先が学校や先生に向かっているけれど、もしも保護者個人に向かったときのことが心配だとも話していました。
■モンスターペアレントの特徴
近年、モンスターペアレントは家庭環境における過保護化や親の孤立化、教育現場への不信感による学校への威厳の低下により増えているとされています。その他にもネグレスト(育児放棄)の傾向があったり、一般的なモラルが低い親もモンスターペアレントとなる要素を持っているともいわれています。
モンスターペアレントには、下記のような人がなりやすいと一般的にいわれています。
(1)自己中心的なタイプ
自分の子どもを自分の分身もしくは自分の所有物として錯覚しているタイプです。自分の思い通りに子どもが動かないとストレスを感じてしまいます。
(2)病的なタイプ
自分の子どもが思い通りにいかないと認識したときは、その状況を先生や学校が作りだしていると思い込んでしまい、学校にクレームを入れるタイプです。
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こういった特徴をふまえて、モンスターペアレントには下記のような対処のコツがあるといわれています。
(1)最後まで話を聞く
まずは、相手の言いたいことを最後まで聞くようにしましょう。途中で話に割り込むと、火に油を注ぐ事態になりかねません。
(2)複数で対応する
記録係、聞き役など役割分担をして対応するようにしましょう。言った言わないの水掛け論にならないないために、話し合いは記録しておくことをおすすめします。
(3)理不尽な要求はしっかり断る
対応すべきことと、対応すべきではないことをしっかりと明確に分けましょう。その上で理不尽な要求に対してはしっかりと断ることが大切です。
(4)謝罪することがある場合は、その事実のみに限定して謝る
謝る範囲が広いと、相手はすべて謝ってくれたと勘違いしてしまいますので注意が必要です。謝罪することがある場合は、その事実のみに限定して謝ることが賢明です。
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対処法は学校にも個人で付き合う場合にも使えます。とくに相手が感情的になっているときは、必ず複数人で対応するようにしてください。
(まいどなニュース特約・島田 志麻)