「この才能も大事にしてほしいな」 恩師の励ましで絵を続けられた人気画家のエピソードが話題に
「めっちゃウマイやん!!この才能も大事にしてほしいな」
恩師の励ましで絵を描き続け、色鉛筆画家として活動するようになったというエピソードがSNS上で大きな注目を集めている。このエピソードの主は「長靴をはいた猫」さん(@erumo_0384)。「中学3年生→美容学生1年 先生、今も描き続けてますよ!」とTwitterに投稿した。
レポートの空きスペースに描かれたリンゴのイラストを激賞して「この才能も大事に」と励ました恩師。その言葉を胸に研鑽を重ねた「長靴をはいた猫」さんは今19歳になり、美容学校に通いながら色鉛筆作家として活躍しているそうだ。
このエピソードに対しSNSユーザー達からは
「先生のこの才能も!って言ってる所がすごくいい!!他にも才能があってそこを認めてるのがわかる。良い先生に出会えたのですね^ ^」
「こういうのを肯定してくれる先生って日本では多くない気がします。(落書きするな!的コメントで返されたり)しっかり、褒めて可能性を広げるきっかけを与えてくれる大人って素敵だなと思うし、自分もそうなりたいなぁ…と」
「学生の時、こだわりを詰めた日誌を1週間提出し続けたら、偉い先生にすごく怒られて大人ってなんだろう…と思ったことがありました。この先、人の良いところを褒めて伸ばせる人間になりたいです」
など数々の感動のコメントが寄せられている。
「長靴をはいた猫」さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):先生とのこのやりとりは中学3年生の頃のものなんですね。当時、絵に対してはどのようなスタンスだったのでしょうか?
長靴をはいた猫:絵を描き始めたきっかけはメイクアップアーティストになるという夢からでした。当時はメイクアップをできる機会もなく、あくまでメイクアップの練習として絵を描いていました。
中将:エールを送ってくれた先生のお人柄、長靴をはいた猫さんにあたえた影響についてお聞かせください。
長靴をはいた猫:一人一人の生徒と向き合ってくれる素敵な先生でした。
中学3年生の時、夏休みの宿題に絵の課題があって、コンクールで入賞したんですよ。その絵を見て先生は僕の絵を好きと言ってくれたんですけど、僕はメイクアップアーティストになるという夢を先生に伝えていました。
先生は、「この才能″を″大切にして欲しいな」ではなく「この才能″も″大事にして欲しいな」って書かれていて、夢は1つじゃなくていい、というメッセージを下さいました。今では絵で個展が出来たりお仕事を貰えるようになりましたが、先生がいなかったら絵を描き続けていなかったかもしれません。
中将:生徒に対して細やかな配慮ができる先生だったんですね。現在の色鉛筆画家としての活動内容についてお聞かせください。
長靴をはいた猫:現在は、生き物と鉱物・宝石の融合をテーマに作品を描いています。昨年はじめて個展を開催させていただき、生き物や環境について少しでも興味をもっていただけるよう活動しております。
中将:投稿に対し数々のコメントが寄せられていますが、今回の反響へのご感想をお聞かせください。
長靴をはいた猫:世の中にはこんな素敵な先生もいるということをお伝えできたのかなと素直に嬉しいです。
◇ ◇
なにか事件や問題が起こるたびに十把一絡げに批判されがちな教師という職業だが、中には「長靴をはいた猫」さんの恩師のような立派な教師もいるのだということを忘れないようにしたい。
なおインタビュー中でもご紹介いただいたが「長靴をはいた猫」さんは現在、生き物と鉱物・宝石の融合をテーマにした絵画作品を多数手がけている。
いずれも視覚的な美しさのみにとどまらず、描き手の思想やメッセージまで伝わってくる凄みのある作品ばかりだ。ご興味のある方はぜひSNSなどで「長靴をはいた猫」さんの発信をチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)