濡れ場に抵抗なし 最も旬なアラ還俳優・木下ほうかが魅せる、年の差30才超のラブシーン
いま最も旬なアラ還俳優・木下ほうか(57)が、江戸川乱歩の短編小説を原作としたエロティックサスペンス『裸の天使 赤い部屋』に主演する。オーディション番組で15万人の中からラストヒロインに選ばれた過去を持つ女優の中山来未を相手に、情念を燃え上がらせるかのようなねっとりとした濡れ場を披露する。
この日のインタビューも、正午から夜6時まで13社からの取材を受ける注目ぶり。昨年公開された出演映画だけでも『レディ・トゥ・レディ』『無頼』『事故物件 恐い間取り』『田園ボーイズ』『悲しき天使』『ロックンロール・ストリップ』と枚挙にいとまがない。60代突入を目前にしてのブレイクと言えそうだ。
「ブレイク?確かにありがたいことではありますが、僕は冷静に捉えています。ブレイクって一時的なものかもしれませんし、公開日が偶然重なっただけで、撮りためたものが出てきた感じです。今のところは正常に仕事をしていますが、まだまだコロナ禍。中止や延期もあって、この先が品不足の感はありますね」。
一部で高い評価を得た『レディ・トゥ・レディ』で演じたダンス講師兼演歌歌手などのトリッキーなキャラクターもそつなくこなせる勘所の良さが、現在の引っ張りだこの要因だ。そんなテクニシャンも、今回の主演映画で扮した愛欲に溺れる社長役には苦戦したという。
「カテゴリーのない、普通の人ほど難しいですから。『レディ・トゥ・レディ』はダンス講師であり演歌歌手というわかりやすい記号がある。『無頼』での右翼思想家もそう。しかしこの松永という男は、普通に家庭を持ち、ただ若い女の子と浮気をしているだけ。そこまでの個性がない。演じる上での特徴があるとしたら、やたらと濡れ場があることくらい」。
年齢を重ねると裸をさらすことへの抵抗感は生まれないのだろうか。しかも相手は25歳の若手・中山来未。その年の差は30オーバーだ。「この歳になると濡れ場の機会というのはあまりないですが、抵抗感はありません。僕らの仕事というのは、人の汚い部分や醜い部分、極論をいうとお尻の穴まで見せる仕事だと思っていますから。やめてほしいのは、中途半端なこと。やるならやる、やらないならやらない。やるけれどもなんか微妙…というのが一番カッコ悪い」。
不思議な魅力を持つ少女・文子を演じた中山は、これが映画初出演。木下はその女優魂に驚かされたという。「初対面の時は僕に怯えていたのか、緊張していて無口であまりにも挙動不審でした。でもいざカメラの前に立ったらまったく物怖じしなくて、制限もゼロ。撮影が進めば進むほどにどんどん良くなっていった。カメラの前に立ってやるときにやる人が女優。その意味では、この子は女優だなと思いましたね」。ベテランと若手が身も心もぶつけ合う『裸の天使 赤い部屋』は、4月2日から限定公開される。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)