「期待するな」「信じるな」「頼りになるのは自分だけ」…フランス在住者が語る「フランスに来る時の心得」が話題に
・誰もこちらのことを考えてくれない
・何もかもがうまくいかないことが普通
・扱いも非常に雑
・ちゃんとしてくれる人なんて稀
・期待するな
・信じるな
・頼りになるのは自分だけ
・しかもあなたはただのマイノリティ外人
・そういった状況と戦える人しか来てはいけない
なんともシビアな「フランスに来る時の心得」がSNS上で大きな注目を集めている。この心得を投稿したのは長年フランスにお住まいの著述家、Ulalaさん(@ulala_go)。
おせっかいで何事にも細かい日本の環境とは180度違うフランス人の感覚…。
ulalaさんの投稿に対し、SNSユーザーからは
「フランス人の友達も、フランスで生活するなら常に戦う気持ちでいなきゃいけない。と言ってました。彼はすごく疲れるらしいです。」
「そういった状況を乗り切れるバイタリティがあるなら日本で大成するのは簡単なのでは……?」
「仏に限ったことではありませんが、(日本の在外公館以外の)お役所が自分が出す書類をデフォルトで紛失するくらいの心持ち(ゆえに全ての書類はコピーが必要)でいないといけないし、むしろ書類なくさない仕事早い日本のお役所もすごい!ってなりますよねw w」
「アメリカにいたのですが、ほぼほぼ同感です。何一つ一回でうまく行きません。それに慣れるまでに3年という感じでした^_^でも、日本にはない良さもたくさんたくさんありますね^_^」
など数々のコメントが寄せられている。
ulalaさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):はじめて渡仏された頃、日仏の文化や価値観の違いについてどのように感じましたか?
ulala:日本の雑誌などのメディアで語られてるフランスは、現実のフランスとは違うと感じました。本当のフランスはもっと奥深いです。日本とは基礎となる文化が違うことから根本の考え方も違います。フランスのいいところばかり紹介されても意味はなく、それよりも、もっとその各国の違いを知るべきだなと思いました。
中将:フランス人の国民性についてどう感じておられますか?
ulala:フランス人は困っている人にはとても親切です。しかしながらとても排他的な人も多いです。人によって考え方もとても差があります。それは社会階層がはっきり分かれていたことにも起因しています。現在は長い間かけてその格差を埋める努力をし平等を目指してきていますが、なかなか解決には至っていません。そういった格差は多くの問題を引き起こしています。
しかしその反面、階層がはっきりしていたことで階層ごとの独特な世界が生み出されています。そのため人によって世界観もまったく違うのがとても興味深いです。人間味あふれる出来事も多く、いろんなことを考えさせられる材料がそこら中にあるのです。いろいろな問題が起こる中で、それでも生き抜こうとする活力やエネルギーを感じ、こちらも元気にさせられることも多いです。混沌としているからこそ、なおさら前進しなくちゃという気分にさせられる。それは自分にとっていい影響をあたえてくれていると思います。
中将:日本とは価値観の成り立ちが根本的に異なるんですね。現在日本ではフランスでのコロナ急増、それにともなう混乱が報道されています。フランス人の国民性と現在の状況に因果関係はお感じになるでしょうか?
ulala:私自身は内からの自制心が強く、自分で根本から原因を考えそれに沿って必要な行動をしますが、フランスは外からの抑制がなければ実行しない人が多いです。そのためコロナ対策の規則がどんどん増えていきますが、実行する人たちが根本を考えて行動しないので大きな効果はでません。人から見えないところでパーティーを行ったりして、そういうのが感染拡大の原因の一つとなっています。もちろん中にはちゃんとしている人もいるのですが、基本は、他人に気を配らない人が多いんです。
そういう環境にいることで身をもって学べることは、「他人をあてにしてはいけない。自分自身が”自分のこと”を気をつけることが一番大事である。」ということです。でも、それは本当は当たり前のことなんですよね。他力本願では何も解決しません。自分自身がしっかりすることが一番大切ですから。
◇ ◇
フランスだけでなく異国を訪れる際は、自らの安全のためにも日本とその土地の感覚の違いを重々認識したほうがよさそうだ。
今回、話題の人となったulalaさんは日々、SNSやホームページ上で「フランスと日本の違い」について情報を発信している。違いを知ればその本当の魅力も見えてくるというもの。フランスに興味をお持ちの方にはぜひチェックしていただきたいと思う。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)