迎えた“我が子たち”のため…カンパチやハマチで手作りごはん!「猫は過保護で丁度いいと思っています」
近藤クーちゃん(8歳・メス)とネーちゃん(8歳・メス)は捨てられた姉妹の子猫だった。愛知県にある長楽寺という寺で開催された譲渡会に参加。先代の猫を亡くして半年以上経ち、そろそろ猫を飼おうと考えていた近藤さんに出会った。
■長楽寺で開催された譲渡会に参加
愛知県に住む近藤さんは、以前飼っていた猫を亡くして半年以上経ち、少しずつ悲しみも薄らいできた。前に飼っていた猫の供養をするために、動物霊園のある長楽寺という寺を時折訪れていたが、そこで譲渡会があることを知り、「また猫を飼ってみたい」と思うようになったという。
「猫を飼うなら、留守をした時に寂しくないように2匹飼いたいなと思っていました。以前は男の子を飼っていたんです。でも、すごく可愛いけどいたずらが派手だったので、今度は女の子がいいなとか考えていました」
2013年5月19日、近藤さんは譲渡会に足を運んだ。箱に入っていた4匹の子猫に目が留まり、黒猫を膝に乗せると「にゃー」と一声鳴いた。
「もう離したくないと感じて一瞬で決めました。四匹は兄妹揃って捨てられていたそうです。黒猫三匹、鉢割れ一匹でした。女の子は黒猫と鉢割れで、残りの二匹は黒猫の男の子でした」
■愛情たっぷり手作りごはん
5月25日、保護主の夫婦が三重県から2匹を連れてきてくれた。
子猫たちはとにかく可愛くて、近藤さんは幸せな気持ちになった。予定通り女の子を二匹もらうことにした。ボランティアから、「二匹一緒だとお金もかかりますが大丈夫ですか?」と聞かれたが、初めから二匹のつもりだったので「それは大丈夫だ」と答えた。4匹の兄妹を見たら4匹とも欲しいと思ったが、流石に4匹は無理なので思いとどまったという。
黒猫のクーちゃんは、黒いから「クーちゃん」、鉢割れのネーちゃんは猫だからネーちゃんと名付けた。
食事はキャットフードではなく、手作りにした。カンパチやハマチなど大きな魚をカボチャやサツマイモなどの野菜と一緒に煮て、玄米ご飯を混ぜてフードプロセッサーでペースト状にした。大量に作って小分けにして、冷凍保存したものをあげている。
「キッチンに立つと黒猫のクーちゃんが大喜びしました。ジーンズをはいた私の足を登り棒にして登ってくるんです。鉢割れのネーちゃんは甘えん坊で、抱っこして食べさせていました」
近所の人に過保護だと言われたが、猫は過保護で丁度いいと思っている。最初にトイレの場所を決めた時、まだ砂が入っていない状態だったので、ネーちゃんが「砂を入れて欲しい」とせがんだ。「にゃ」と鳴いただけだが、何を言いたいのかよく分かった。
■2匹とも我が子だと思っている
クーちゃんは女の子だが縄張り意識が強く、自分のお皿のごはんを食べながらネーちゃんのお皿のごはんも少し横取りする。ごはんが足りないわけではなく、両方手をつけないと気が済まないようだ。全部食べきれなくて残してしまうのに、必ずネーちゃんのごはんを横取りする。トイレも二つ用意したが、クーちゃんは二つとも使う。ネーちゃんが自分専用のトイレが欲しくて床で粗相をするようになったので、いろいろ考えた結果、ネーちゃんのトイレは砂を入れずに犬用のペットシーツを使うことにした。ペットシーツは一回汚れたらその度に取り替えなければいけないので、ネーちゃんのトイレは5つあるという。食事やトイレはクーちゃんが優勢だが、ネーちゃんも負けてはいない。外には出していないが、網戸越しに野良猫がのぞくと、勇ましく追い払うのはネーちゃんだ。
近藤さんは一人暮らしだが、クーちゃんとネーちゃんのことを「うちに来た時から自分の子供だ」と思っている。「もう手放すことはできない」と言う。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)