手作りのアニサキス入りボールペンがSNSで話題に 「すごいけど発想がサイコ」
魚などを介して人間に寄生し、食中毒を引き起こすことで知られるアニサキス。
今、SNS上ではそんなアニサキスを加工して作られたアニサキス入りボールペンが大きな注目を集めている。このペンを制作したのはサックスプレイヤーで釣りがご趣味のFUNAさん(@FUNA84)。Twitterに「アニサキス入りボールペンできた。良くある『ひょっとして、この虫アニサキスかな?』って時に比較できるし、病院でアニサキス摘出手術の同意書記入時に使えばアニサキスマスターをアピールできるぞ。」と投稿した。
セリア買ったオリジナルクラフト用ボールペンに魚から採取したアニサキスを詰めて、ハハーバリウムオイルを満たす…。
正攻法なようで奇想天外なこの発想にSNSユーザー達からは
「綺麗だしすごいけど発想がサイコ」
「まさかこんな所に閉じ込められるとは!!」
「目黒の寄生虫館で売って欲しい」
など数々のコメントが寄せられている。
FUNAさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):このアニサキスボールペンをひらめかれたきっかけをお聞かせください。
FUNA:自身がアニサキス症を体験し、また魚を捌くことが趣味で自然界の生物には普通に寄生虫がいることがわかり、ユニークな手法で伝えたいと考えました。父が獣医で新種のサナダムシ発見者である点も影響あると思います。
中将:なるほど、アニサキス症はお気の毒ですが、今のFUNAさんにとってアニサキスや寄生虫は身近な存在なわけですね。
FUNA:はい。一般に嫌われる寄生虫のような存在も、興味を持っていろんな角度から観察する事で、「生理的に受け付けない」といった理由にならない思考停止状態から少し理解が深まります。そういう思考停止って差別の構造にも似ていますから、何事もよく知ろうとすることは大切だなと思います。
中将:その後、このボールペンは使用されているのでしょうか?
FUNA:ボールペンとしての機能を殺してしまっては面白みがないので実用していきます。
中将:今回の反響へのご感想をお聞かせください
FUNA:寄生虫であれ生き物に対する冒涜だと言った批判もあり、そういった考えも理解できます。それでも多くの方に寄生虫という忌み嫌われがちな存在にスポットライトを当てられたことを嬉しく思います。あと、今回の反響の要因になった高知の多田水産さんにお礼を言いたいです。
◇ ◇
一般には害でしかないと思われがちな寄生虫だが、それを知ることで人間として気付かされることは多々ありそうだ。
アニサキスは魚やイカをさばけば容易に手に入れることができる。あとの素材も先述のようにセリアでお求めいただけるので、ご興味のある方はぜひアニサキスボールペンを作って寄生虫の世界を身近に置いていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)