人気店シェフ考案の万能調味料「料理の味変に」「アイスクリームに」 世界的指揮者が名付け親
日常の食卓のマンネリ化を防ぎ、「味変」も楽しめると話題になっている調味料がある。日本調味料選手権で農林水産省特別賞にあたる「令和賞」を受賞した「めぐみの雫」(980円)だ。考案者は兵庫県西宮市にある老舗の中国料理店「青椒(ぴーまん)」のオーナーシェフ、内野緊(かたし)さん。調味料の名付け親はあの有名な指揮者の佐渡裕さんだった。
■西宮の人気中国料理店が考案した万能調味料
JR西宮駅から南東へ徒歩約3分。路地を入った商店街の一角に風情を感じさせる老舗の中国料理店「青椒」があります。
地元だけでなく、遠方のお客さんも多い人気店。オーナーシェフの内野緊さんは有名中華料理店で修行し、37年前に今の店を開きました。「陰陽五行という中国古来の思想に基づき、五味(甘味・酸味・辛味・苦味・塩味)のバランスを基調として料理を作っています。『食が人を作る』と考え、うちの料理で元気になってもらいたいと願っています」
同じように考案した調味料も「五味のバランスを重視。家でも調味料を加えるだけで味の変化が楽しめたり、プロの味に近づけてもらえたりしたらいいなと思って作りました」と内野シェフ。
■「我が家でも簡単に楽しめる」と評判に
店では旬の食材を大切にし、自家製の調味料をメインに使ってきたといいます。こだわりは、考案した調味料にも見られ、店評判の自家製柚子胡椒を使用。その柚子は奥深い風味と爽やかな香りを放つ徳島産の青柚子をチョイス。また、とろりとした舌触りが特徴の上品な甘さと濃厚な旨味をもつ鹿児島産醤油や、国産青唐辛子、天日塩田焼き塩、国産レモンなどどの材料も厳選しています。
■指揮者の佐渡裕さんが名付け親
ちなみに、調味料の五味の①甘さは甘露醤油②酸っぱさはレモン果汁③辛さは青胡椒④苦(にが)さは青柚子⑤鹹(しおから)さは天然塩を使用。バランスのいい五味の調味料を目指し、内野シェフが厨房で連日連夜、試行錯誤を繰り広げてようやく完成させたものです。そして、その味に感動した指揮者の佐渡裕さんが名付け親となり、「めぐみの雫」が誕生しました。
「めぐみの雫」は、ふんわりとした甘みの中に爽やかな酸味とぴりっとした辛さが特徴。さしみのタレをはじめ鍋料理、焼き物、蒸し物、揚げ物、炒め物などのタレとして使えたり、サラダのドレッシング代わりになったり、アイスクリームにかけたり、使う人のアイデア次第で、どんな用途にも使用できるのが魅力です。
実際に使った人からは「料理の味変におすすめ」「料理の隠し味にもぴったり」「意外とアイスクリームなどデザートのソースにも合います」という声がありました。
「めぐみの雫」の販売が始まると口コミで広がり、あっという間に大評判に。また「調味料選手権 2019」(主催・一般社団法人日本野菜ソムリエ協会)では全国140品の調味料にエントリーされ、農林水産省の審査員特別賞である「令和賞」を受賞しています。
受賞後、世の中はコロナ禍に突入。おうち時間が増える中、「我が家でも人気店の味が楽しめる」と「めぐみの雫」を買い求める人がさらに増えたといいます。
「コロナ禍でおうち時間が増えた皆様の食卓を少しでも豊かになるお手伝いができてうれしいです。『めぐみの雫』が評判になり、今は自家製めかぶ酵素などを使ったプレミア版の製作・販売に向け、試行錯誤の日々が続いています」と内野シェフ。プレミア版も楽しみな「めぐみの雫」ですが、我が家での食事を楽しみたい人は試してみてはいかがですか。
(まいどなニュース特約・八木 純子)