ガチの消防訓練が常時見学可 京都人なら一度は訪れた大宮交通公園がリニューアル
京都生まれの人なら一度は足を運んだことのある京都を代表する子どものあそび場『大宮交通公園(京都市北区)』が今月、大和リースとの官民連携事業としてリニューアルオープンした。大宮交通公園と言えば名物はゴーカートだったが、ゴーカートが撤去され、新たに自転車の安全学習を基軸にした「トラフィックプレイモール」というコンセプトで生まれ変わった。
施設内には、交通学習ができるように道路標識や信号が設置された交差点をはじめ自転車用レーンが設置され、子供たちが縦横無尽に自転車やストライダー(ペダルのない子供用自転車)に乗り走り回っている。(が、ちゃんと交通ルールを守っている!)その横には、お洒落なサイクルショップ『コンズグリーンパーク』が鎮座するのも官民連携事業らしい。
外周部には、安土桃山時代に外敵の襲来と鴨川の氾濫から都を守るために豊臣秀吉が築いたといわれる土塁である「御土居」がそのままの状態で保存され(ちょっとした見どころの一つ)、こちらも子供たちが土滑りを楽しんでいる。その延長上には決して大きいとは言えないがちょっとした子供向け遊具や地元住民が利用できるコミュニティーホールが誕生した。
特にお勧めなのは、公園内で伐採された木を大工の手でベンチなどにリサイクルして作られたオブジェ広場で、森の中の憩いの場という言葉がぴったりな、休憩したりお弁当を食べたりできる空間が広がっている。
そして、もうひとつ忘れてはいけないのは敷地内に京都市北消防署が併設されている点だ。この公園のもう一つのコンセプトは防災学習で、敷地内にはマンホールトイレやかまどベンチがあるだけでなく、併設されている消防署の日常の訓練風景を見学できる作りになっている。私が訪れたときも、放水訓練や崖を上り下りする訓練を見物する多くの市民で賑わっていた。これがちょっとしたアトラクションとなっており、なかなか見ごたえがあってよい。
週末は、中央広場でマルシェが開催されていたり、おもしろ自転車の貸し出しがあったと来場者を退屈させない。
昔のゴーカートのイメージが強い方々からすると、少し刺激が足りない気もするかもしれないが、リニューアル前の『子どもが楽しむ公園』から『子どもから大人まで楽しみ憩える公園』にバージョンアップしている。昔の大宮交通公園を知る方はもちろん、そうでない方もぜひ一度足を運んでみてもらいたい。
◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。