100日間限定、2時間だけ営業のラーメン店「だしと小麦の可能性」が話題 店名もだしも麺も薬味もこだわりの嵐
大阪・北新地にあるカツサンド専門の人気店「なおらい」が100日限りのラーメン店「だしと小麦の可能性」を4月21日から出店した。店名どおり、小麦とだしの可能性を追求。さらに、今流行の金継ぎの器を使用し、味変が楽しめる薬味にもひと工夫。「なおらい」のファンだけでなく、ラーメン通の間で早くも話題になっている。
■ラーメンは「潮 Ushio」と「醤 Hishio」の2種類
そのラーメン店があるのは大阪メトロ御堂筋線「心斎橋駅」から歩いて5分ほどのところ。実は2つの業態を組み合わせた2部制で、スパイス食堂「サワキチ」を借りており、 18時から20時までの2時間限定で営業している。
メニューは塩ラーメン「潮」(950円)と、しょう油ラーメン「醤」(680円)、アボかき揚げ丼(380円)、アボかき揚げ(380円)の4種類のみ。こだわりのだしは鶏・豚・金華ハム・昆布に、ドライトマトをチョイス。そこにうま味成分を抽出した“かえし”(ベースの調味料)をブレンドして作っている。
「潮」の“かえし”はハマグリやアサリ、干し貝柱などの貝類とウニ、干し海老を煮出したものに岩塩などを加え味を整えている。「醤」の“かえし”は、同じく貝類を煮出したところへ4種類の醤油と香味油・鴨油、鰹油などを加えて仕上げた。
「主要なうま味成分はすべてだしに取り入れました。たとえば、グルタミン酸はトマトと昆布。イノシン酸はカツオ、コハク酸は貝類など。素材の組み合わせや味のバランスを何度もくり返して完成したのが『潮』と『醤』なんです」とオーナーの増井脩平さんは話す。
麺は4種類。「潮」と「醤」の2種類のだしにマッチするように中細麺と手揉み太麺を小麦の種類や配合も変え、別々に準備した。特に、中細麺は国産小麦キタホナミを使い、スープの香りが感じられる麺に仕上げているとか。
■付け合わせを加えて味変を楽しむ
「潮」の中細麺をいただいた。だしはすっきりとしていながら幾重にもうま味が広がり麺との相性も抜群。手揉みの太麺は微妙な起伏のある表面にだしが絡み、奥行きのある味と食感を楽しめた。その「潮」には付け合わせとして、トマトのムースとバジルとチーズのペーストが出される。トマトのムースは、酸味とうま味、生クリームの甘くまろやかな味が広がる。さらにバジルペーストを加えて2回目の味変にトライできるのもうれしい。
一方「醤」のだしは、醤油をベースにうま味と香ばしさが醸す濃厚な味わい。こちらは、付け合わせに塩漬けの唐辛子を発酵させた調味料「かんずり」を入れるとパンチの利いた味変になる。こだわりは器にも表れ、白無地に華やかな金継ぎをあしらったラーメン鉢が美味しさを引き立ててくれる。
お腹がもの足りないと感じた方にはアボカド入りの「アボかき揚げ丼」がおすすめだ。同じ小麦粉を使ったボリュームたっぷりのかき揚げは、そのまま食べても美味だが、たっぷりのだしをかけていただくと、こちらも味変が楽しめる。
同店は、100日間限定での営業。だしと小麦の可能性にふれてみてはいかが。
◇100日間限りのラーメン店「だしと小麦の可能性」(大阪市中央区南船場4-10-20/18時~20時※営業時間などは変更の可能性あり
(まいどなニュース特約・山中 羊子s)