「須藤早貴はやってない!」紀州のドン・ファン元妻の知人が断言 逮捕時に小川泰平氏に証言

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と称された酒類販売会社元社長、野崎幸助さん=当時(77)=に2018年5月、多量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、元妻の須藤早貴容疑者(25)が和歌山県警に殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕され、一夜明けた29日に送検された。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトの取材に対し、須藤容疑者の知人による「(犯行を)やっていない」という証言を紹介し、今後の取り調べのポイントを挙げた。

 逮捕容疑は18年5月24日、野崎さん宅で致死量の覚醒剤を口から摂取させて死亡させた殺人と覚醒剤取締法違反(使用)の疑い。捜査関係者によると、須藤容疑者は事件前にインターネットで覚醒剤について検索した履歴があり、また、SNSを通じて覚醒剤の密売人と連絡を取り、田辺市内で接触していたという。和歌山県警は28日早朝に須藤容疑者を自宅である東京・品川区内のタワーマンションで逮捕して田辺署に移送したが、現時点で認否を明かしていない。

 小川氏は「須藤容疑者をよく知る人物を取材しました」と切り出した。その証言は、事件発生当初から、世間では限りなく「クロ」に近いというイメージが定着していた同容疑者の人物像を覆す内容だった。

 小川氏は「お手伝いさんではない人物で、逮捕当日の28日にも話をしたところ、その者が言うには『須藤早貴はやってないよ』と、今でも不審死に関与はしていないと信じている様子でした。その人は、以前からそのように言っていましたが、改めて『逮捕されましたね』と私が言うと、『逮捕されたからと言って本人とは限らないでしょう』と反論されました。須藤容疑者については『すぐ人を信用する。どちらかというと、だまされやすい人間だ』と語り、金銭面についても『お金のことをあまり細かく言ってくる人間ではない。お金にそれほど汚くはない』という言い方もされていました」と明かした。

 では、今後の取り調べの行方は。

 小川氏は「容疑者の自白のみに頼ることはよくないことですが、まずは本人の話を、その経緯を1つ1つ丁寧に順序よく聞くこと。そこから始まります」と指摘した。

 果たして、起訴には至るのだろうか。小川氏は「逮捕に踏み切った経緯を考えてみると、状況証拠を積み重ねで起訴できると踏んだか、新たな大きな決め手が出てきたのか。もちろん警察独自の判断でなく、検察庁と事件相談をして着手しているはずです」と分析。その上で、「ただ、そうではなく、容疑者が海外移住を計画していて、その出国期日が迫っている要因で逮捕したというのなら、(勾留期限の)20日間が本当の意味での勝負になると思います」と付け加えた。

 つまり、決定的な物証、確証がなく、海外逃亡を阻止するための逮捕であったのなら、この20日間で本人の口から具体的な証言が出てくるかが焦点となる。今後の行方が注目される。

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