「契約社員の更新ができたのは、媚びを売ったからじゃない?」そんな陰口には負けない!妬まれシングルマザーの発想転換
「隣の芝生は青い」とは昔の人はよく言ったもので、自分にないものを人は羨んでしまいがちです。自分では特段、秀でたところもないと感じているのに、周りからすると羨ましく思われるのか妬まれてしまう。それは思いもよらないところから降りかかってくることもあります。
これは私の友人であるAさん(30代・契約社員)の体験談です。Aさんは若くして結婚・出産・離婚を経験し、シングルマザーとして日々慌ただしく過ごしていました。
Aさんの職場では、以前は採用試験に合格すれば、その後は毎年課内面接にて再更新になるという職場でした。しかし、近年雇用形態が変更となり、契約社員も毎年筆記試験と面接を通過しないと来年度更新ができなくなってしまったそうです。
シングルマザーであるAさんは、「もし、不合格だったらどうしよう。シングルマザーだから私が不合格になると、収入が一気になくなってしまう。しかもいまの情勢では再就職も難しいし」と悩んでいました。
同じシングルマザーとしてAさんの気持ちが痛いほどわかると思った私は「勉強してきたんだし、大丈夫!肩の力を抜いて頑張って!」と励ますことしかできませんでした。
■無事合格!しかし嫌な噂を耳にする
試験結果が自分のことのように気になっていた私でしたが、自分からはなかなか聞けずにやきもきしていた矢先のこと。
Aさんから連絡があり、「来年度に向けて行われた筆記試験、合格したよ!」との報告を受けて安堵したのもつかの間、続けて実は嫌な噂を耳にしたとの話がありました。
どうやらAさんをよく思わない同じ職場のBさんが、Cさん(BさんはAさんとCさんが友人関係にあることは知らない)に「Aさんが合格したのは、コネだ!いつも休憩所で上司や人事に媚びを売っているからだ」と言っていると報告を受けたそうです。
当然Aさん自身にそのようなつもりはなく、子どもの学校の保護者など学校を通じての知り合いや、自分の学生時代からの友人、そしてその場で話しかけられた人と他愛もない話をしていただけだったのですが、一部の人の目には異なって映っていたようです。
「Cさんから聞くまで、周りからそんな風に思われていたなんて知らなかったの。頑張って試験を受けた結果なのに、なんだか喜びが半減してしまった」と、落ち込むAさん。
私は以前同じような悩みを抱えたときに、ある友人に言われた言葉をAさんに伝えました。
■自分は「羨ましい」と思われているんだ
「そうだよね、辛かったよね。きっと、BさんはAさんが努力してきたことやAさん自身の境遇までは知らない。だから、Aさんが人当たりよく周りと打ち解けている姿を妬んだのかもしれないね。でもそれって、BさんはAさんを羨ましいと思っている、評価しているってことだと思うよ?だから、自信持って!」
陰で言われることは確かに辛い気持ちになります。しかし、私自身は以前友人にこのように言われてから、「自分のことを羨ましいと思っている(価値がある)」と相手が思ってくれていると考えると、あまり腹立たしく思わなくなりました。
この友人の受け売りをAさんに伝えた私。Aさんは「そうだよね。コネかどうかはこれから先も合格し続ければ証明できるよね!」と吹っ切れた様子でした。
居心地のいい職場は確かにあります。しかし、全員があなたに善意をもっているわけではありません。小さな悪意に振り回されないために自分を強く持つことも大切です。
(まいどなニュース特約・長岡 杏果)