通勤・通学に電車を使っている地域はごく一部? 日本各地の「主な交通手段」を視覚化した地図が話題に
自家用車、鉄道、自転車、徒歩…。日本各地でどのような交通手段が使われているかを視覚化した地図がSNS上で大きな注目を集めている。この地図を制作したのは大学で地理学、近代都市史を学ぶ永太郎さん(@Naga_Kyoto)。
地図によると電車が主な交通手段となっているのは関東、関西の中心部のみで、その他の地域では圧倒的に自動車が優勢。また京都市北部や東大阪市、尼崎市では自転車が、京都市東山区では徒歩が主な交通手段となっていることも興味深い。
永太郎さんの投稿に対しSNSユーザー達からは
「こうみるとほぼほぼ自家用車ですね やはり鉄道は都会だけですか」
「首都圏『電車』 大阪『電車』 名古屋『中心部だけ電車だけどあとは自家用車』 京都『チャリンコ』」
「日本、ほぼほぼ車持ってないと経済・知的弱者になる土地多すぎない?なんなの脱車社会とか殺す気かって思った新潟豪雪地の民です 」
「京都市内で最も使われている交通手段が自転車(東山区だけ徒歩)と言うデータですが、市内中央部は洛中の道幅が生き残った区域も多く、自動車すれ違いが限界の所も多く、車を止める場所も無いという切実な問題があります。なお、祇園地区や四条河原町付近は自転車走行も禁止なエリアがあります」
など数々のコメントが寄せられている。
この地図について永太郎さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):地域ごとの生活様式がうかがえるたいへん興味深い地図ですね。この地図を制作されたきっかけをお聞かせください。
永太郎:大学で地理学を専攻していることもあり、GIS(地理情報システム)の練習を兼ねてときどきこういった地図を作成しています。テーマはいつも適当に決めているのですが、ちょうど電車の減便に関するニュースを見たので、通勤で電車を使う地域はどのあたりなのだろうと思い今回の地図を作ってみました。
中将:制作されてどのような感想を持たれましたか?
永太郎:思った以上に電車通勤が多いエリアは狭いんだなという感想を抱きました。イメージでは三大都市圏以外でも政令指定都市クラスなら電車通勤がメインだと思っていたのですが、案外福岡や広島など大きな都市でも一部の区以外は自家用車通勤・通学のほうが多いことに驚きました。関西で自転車の利用が多いのは、京都に住む人間としては予想通りでした。
中将:ご投稿に対し数々のコメントが寄せられています。今回の反響へのご感想をお聞かせください。
永太郎:ここまで拡散されるとは思いませんでした。以前、「日本一みやびな松屋」のツイートが2.7万RTまでいって驚いたのですが、前を通ってさえいれば誰でも撮れる写真がバズったことに若干の後ろめたさもありました。今回はちゃんと自分で作った地図に反響があり嬉しく思います。
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車社会と電車社会では個々の生活様式、働き方や商業のあり方も大きく変わってくる。読者のみなさんがお住まいの地域ではいかがだろうか。
永太郎さんはTwitterやブログでまち歩きや地理学について日々情報発信中。今回のようにデータや情報を盛り込んだ地図も「#地図で見る日本」というハッシュタグで多数紹介されているので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)