広島・三原で続くエアコン室外機の盗難、高騰する銅線や銅管など狙った犯行か?小川泰平氏が解説
広島県三原市でエアコン室外機の盗難が相次いでいることを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は27日、当サイトの取材に対し、室外機の中にある銅線など高額で取引される部品を狙った犯行の可能性を解説した。
今月25日までに同市が所有する無人の施設など6カ所で計31台が盗まれた。対象となった場所は閉校している小学校(15台)、閉鎖中の4施設(12台)、休館中の公民館(4台)。うち業務用が26個で、全て屋外に設置されていた。配線や固定具を外して持ち去られたり、その場で解体された形跡もあったという。同11日に市職員が元小学校から室外機がなくなっていることに気づき、同市は調査を経て19日と21日に被害届を出し、三原署が窃盗の疑いで調べている。
小川氏は「私も警察の現職時代、エアコン室外機の盗難を扱ったことがあるのですが、室外機の中には銅線や銅管が入っている。それが金属買い取り業者との間で売買される。2008年頃は急騰し、1キロ当たり約800円と言われ、室外機の盗難が相次いだ。昨年は300円台であったものが現在は900円から1000円位に高騰しているのが現実です。家庭用の室外機はどんどん軽くなっているが、学校の教室などのエアコンで使う業務用の室外機は結構な金額になると言える。古い室外機は重くて銅管がたくさん入っていて高く買い取られる」と指摘した。
また、同氏は「室外機には鉄やアルミも使われているので、家庭用でも1台4000円から5000円で買い取られているのではないか」とも付け加えた。
犯人像について、小川氏は「今回の施設に関しては、閉校している学校や閉鎖中の施設等、管理者が不在で昼間でも誰かに見られる可能性が少ない場所であり、作業服を着て犯行に及んでいて分からない。犯行場所を考えると、軽トラックで短時間で持ち去ったのではないか、人数は最低でも2、3人だと思います」と推測した。
対策について、小川氏は「建物が使われなくなった時には、速やかに処分すること。あとは、簡単に侵入できないようにすること。ただ、室外機は屋外に置かれているので、囲いをするなどは難しいので、放置せずに早めに処分すること」と説明。さらに同氏は「一般の防犯対策と同じで、夜間はセンサーライトや防犯ブザーが反応するようにして、防犯カメラの設置も有効だと思います」と呼びかけた。