別の子を可愛いと思っていたのに「運命の出会い」? 毎日大好きな2匹を“激写”するお父さんの願い

運命の扉の鍵は、どこに落ちているか分からないもの。鍵さえ合えば運命の扉は開き、様々なことがトントン拍子に進んでいきます。神奈川県のI家のレモンちゃんとソーダくんも、トントン拍子でずっとのお家が見つかった子たちです。

昨年の12月20日のことです。I家のお父さんとお母さんが、平塚市明石町にある保護猫カフェ「にじのはし」を訪れました。この時、I家の人達の目当ては別の猫。HPで見て可愛いと思い、ぜひ迎えたいと考えていました。

ところが、その猫はすでにトライアルに出ていました。仕方なく、その日はカフェを利用するだけに……。と思ったら、入口で当時生後4カ月のレモンちゃんがスタンバイ。お母さんが中に入った途端、足元にスリスリ。まるで「わたしもかわいいよ」と言っているかのよう。

でも、お父さんとお母さんは目当ての子がトライアルに行ったことを残念に思うだけ。レモンちゃんは、「いるのね」という感じでした。

その様子を見たレモンちゃん、寂しく思ったのか自分で自分のおっぱいを吸い始めたのです。ちゅーちゅーちゅぱちゅぱ……。その姿が何ともいじらしく、お父さんとお母さんの心を鷲掴み。

「可愛い!うちの子にならないかな」

と二人で口に出した時、通りに面したガラス窓の外から、中年の女性がレモンちゃんに話しかけていることに気付きました。その女性と目が合った瞬間、女性はレモンちゃんの来歴を語り始めたのです。

レモンちゃんは生後10日に満たない時、他の5匹の兄弟と共に段ボール箱に入れられゴミ捨て場に置かれていたこと。その時の体重はたった300グラムだったこと等々。なぜここまで知っているかというと、保護主さんでした。

お父さんとお母さんは、保護主さんに家の形態を尋ねられます。一戸建てと答えると、

「じゃあ、決まり」

となんともあっけなく譲渡が決定です。普通なら、保護主さんとお店と面談があります。でも、この時は全部すっ飛ばしです。

ただ条件は、レモンちゃんと仲良しのこの日去勢手術でいないソーダくんも一緒に引き取ること。お父さんとお母さんは、レモンちゃんのためならばと快諾しました。

レモンちゃんとソーダくんが家族になる日は、1月4日。片付けが苦手なお父さんとお母さんは、この日までに思い切って様々な物を捨てました。サッパリとしたリビングに猫たちを迎えます。

ところが、想像外の場所にもレモンちゃんとソーダくんはズンズン侵入していきます。それに舐める齧る触る。これでは危ないと、更に物を捨てました。

この様子に、高校1年生の娘さんはちょっとあきれ顔。「パパとママの猫だから」と遠巻きに眺めます。

ほぼ何もなくなったリビング。ここは良くても、今度はキッチンが危ないと気付きました。よしそれならば、レモンちゃんとソーダくんのために大工さんを呼んでリフォームです。これで一安心。お父さんは、子供のころ飼っていた猫のことを思い出し、こう思うのだそう。

「猫って、意外とお金がかかるんだなぁ」

リフォームまですると、そりゃあね。

今はお父さん、毎日Twitterを更新することにはまっています。最初はレモンちゃんを可愛いと思っていましたが、今では弟のソーダくんにもメロメロです。猫らしくなく熊みたいで可愛い!毎日、スマホを構えて激写です。

この写真を投稿します。うちの子たちの可愛い姿を見てもらいたい。そして、多くの猫好きさんとつながりたい。

これは自己顕示欲のためではありません。一人でも多くの人に、自分たちと同じよう平塚市「にじのはし」で運命の出会いをしてもらいという思いから。レモンちゃんとソーダくんが有名になれば、「にじのはし」に注目が集まると考えています。

自分たちはHPで見た目当ての猫を可愛いと思ったことが、運命の扉を開く鍵だった。今度は別の人が、レモンちゃんとソーダくんを可愛いと思ってくれたら、新しい運命の扉が開くかもしれない。そうしたらレモンちゃんとソーダくんと同じ保護猫たちの、ずっとの家がたくさん見つかる。

そんな思いから、お父さんは今日もTwitterを更新します。「”可愛い”で、あなたも運命の扉を開いて」と。

(まいどなニュース特約・ふじかわ 陽子)

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