野良猫が増えたと思ったら→引っ越しで置き去りにされていた ツイ民たちから怒りの声「信じられない」
名古屋市内に住む保護ボランティアの「ねこ〈動物の命を守るため拡散の協力を〉」(@necoomaruuu)さんが22日Twitterに投稿した“衝撃の事実”。それは、これまで近所に現れた野良猫たちが「引っ越しで置き去りにされてた猫」だということでした。
ツイートには、「酷いですね…急にご飯もお家もなくなる子たちが一番可哀想」「ほんとうに。この子たちには罪はないのに信じられないです」などと猫たちを置き去りにした元飼い主への怒りのコメントが相次ぎました。さらに、「病気したり、車に轢かれたりしない事を願います」「ネコちゃん達…お願いだから悪い人についていかないで」といった猫たちの身を案じる声も上がっています。
■猫たちは…「家を壊して引っ越すときに置いてかれた」
猫たちが置き去りにされたとねこさんが知ったのは、投稿した日の午前。仕事に出掛ける際に猫をなでていたところ、通り掛かりの女性からこう話し掛けられたといいます。
「この子たちは(飼い主が)家を壊して引っ越すときに置いてかれたのよ。かわいそうだと思っていたけど、私は何もできなくて」
そして、野良猫たちを飼っていたとみられる元飼い主の自宅は、ねこさんの自宅から2、3区画ほど先の場所にあるとのこと。ただ、出勤前だったねこさんは急いでいたこともあり、女性からはその事実だけ教えてもらっただけ…元飼い主の名前や居場所などを突き止めることはできませんでした。
■今年3月から野良猫が増加 妊娠していた猫も…出産後にいなくなる
ねこさんによると、今年3月から近所で野良猫が増え始めたといいます。どうしてこんな一度にたくさんの猫たちが現れたのか、当時は疑問に感じていたそうです。
「最初に見掛けたのは6、7匹くらいの猫ちゃんたち。懐いているので飼われていたのかな?と思ってましたが…今うろついている、全部の猫ちゃんたちが飼い猫だったとは思ってもいませんでした」とねこさん。
「猫たちはいきなり家がなくなり、雨に濡れ、ご飯もない…なぜそんな残酷なことができるのでしょうか。当時見掛けた猫たちのほかにもたくさんいたようです」と振り返ります。
また、引っ越しで置き去りにされたとみられる野良猫の中には妊娠した猫もいました。3月下旬ごろ、ねこさんの近くのアパートの3階ベランダで、その妊娠していた猫が出産。赤ちゃん猫が血まみれで死んでいたとのこと。保護しようと、住人の許可を得てベランダに捕獲器を設置しましたが、別の場所でももう1匹の赤ちゃん猫を産み落として逃げてしまったそうです。
■餌をもらえると思って、自宅前で待つようになった猫たち
野良猫が増えてから数カ月ほど経った5月。最近、ねこさんが見掛けるのは4匹の猫です。3月当初はたくさんの野良猫がいたそうですが、徐々に減少。警戒心の強くて姿を現さない猫や大通りを渡って別の場所に移動した猫などがいたようだといいます。
ねこさんに近寄ってくる猫たちは「餌をもらえると思って、自宅前で待つようになりました。帰宅するときも自宅前でお腹を空かせて待っています。まさか、この子たちが引っ越しで置き去りになった猫とは思いませんでしたが・・・本当に人が大好きみたいでみんなすり寄ってきます。最近は虐待などの話も耳にしますので、慣れすぎているのも心配になりますね」(ねこさん)。
現在、餌やりをしながらお世話をしているというねこさん。今後は、知人のボランティアと協力を得ながら、野良猫たちの保護やTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻す)などを検討しているといいます。
■今度は猫多頭飼いの高齢男性が亡くなる…猫はどうなった?
野良猫たちが引っ越しで置き去りにされたという事実が発覚した翌日。ねこさんの近所に住む、顔見知りの高齢男性が亡くなっていたことが分かりました。男性はアパートで猫を多頭飼いをしていたといいます。
「以前から猫を飼っていたようです。そのおじいさんの家には2度ほど訪問したことがあります。近所にいなくなった猫ちゃんがいて、おじいさんのところで保護されていないか伺ったんです。玄関先までしかいったことがありませんでしたが、室内からミャーミャーと子猫の鳴き声が聞こえ、またベランダにもネットを張ってたくさん飼っているようでした」(ねこさん)
その日、男性のアパートに住んでいた人から3カ月ほど前に男性が入院していたことを教えてもらったそうです。そこで飼っていた猫たちが置き去りになっているのではないかと心配したねこさんは、アパートの管理会社にすぐに連絡。男性が入院中に亡くなったことを告げられました。猫たちがどうなったのか尋ねましたが、「1匹は見たけど知らない」と管理会社側は返答。許可を得て、男性の住んでいた部屋を見に行ったところ、荷物が運び出されて空にになっていました。
しかし、隣りの部屋の人に猫たちのこと聞いてみると、「家のドアから死臭がしたから、(猫たちが)死んでいたんじゃないか」と話していたといいます。
果たして、男性宅にいた猫たちはどうなったのか…ねこさんは複雑な気持ちでこう話します。
「実際のところ、猫たちが逃げたのか、死んでいたのかどうかは定かではありませんが…おじいさんは身寄りがなかったようで、寂しくて猫をたくさん飼っていたのではないかと思います。とはいえ、おじいさんのように独り暮らしの高齢者が入院・急死され、室内に猫などのペットが置き去りになってしまうケースは他のところでも聞いたことがあります。地域に住む私たちが多頭飼育をしている高齢者を見守ることが必要ではないかと感じました」
■餌をもらいにやってくる猫の中に、亡くなった男性の飼い猫も…
ねこさんから餌をもらう4匹の猫の中に、長毛でもふもふした黒猫がいます。実は、亡くなった男性が飼っていた猫だと気付いたそうです。近くの住民によると、この黒猫だけが昼間外に出されて、夜になったら男性の家に入れてあげていたとのこと。男性が入院してからしばらくは、“忠犬ハチ公”のように外で男性が迎えに来るのを待っていたといいます。
ねこさんの前に現れたのは、いずれも飼い主がいなくなり置き去りになったとみられる猫たち。今、慣れないお外で必死に生きています。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)