空爆被害のガザ難民女性たちを支援したい パレスチナ刺繍購入の呼び掛けに注目集まる

イスラエルとハマスによる11日間の激しい戦闘を経て、5月21日にようやく停戦状態に入ったパレスチナのガザ地区。イスラエル軍の空爆により市街地は大きな被害を受け、住民の犠牲も深刻なものがあるようだ。

そんな中、ガザで難民として暮らす女性達を支援するためSNS上で

「ガザは停戦しましたが、インフラが破壊されており、UNRWA・Sulafaの営業再開がいつになるか不明。しかしながら、ガザの難民女性300人が、再びガザで人生を築けるようパレスチナ刺繍を通して応援頂けませんでしょうか? よろしくお願いします。」

とパレスチナ伝統工芸品を販売するパレスチナ・アマル代表の北村記世実さんが呼び掛け、注目を集めている。

国連の、刺繍を通した支援プロジェクト「Sulafa」の活動再開がおぼつかない中、どうにか迅速に女性達を支援したいという北村さんの発信に、SNSユーザーたちからは

「TLで見かけてすぐにオーダーした(自分の分と母誕生日の分)。最近立て続けにパレスチナのドキュメンタリー見てたりして、向こう行くより遥かに安い。刺繍、とにかく素敵。」

「応援したい気持ちから覗いてみたら作品もとても素敵。家族の分も含めて色違いでポーチを4つ購入しました。環境負荷の小さい素材を使ってるのもしっかり考えられてるな、と感じます。」

など数々の反響が寄せられている。

北村さんにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):今回のご投稿のきっかけをお聞かせください。

北村:パレスチナ・アマルは2017年にUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の刺繍プロジェクト「Sulafa」の刺繍を扱うようになりました。失業率の高いガザでは難民女性が仕事を得ることは非常に難しいため、「Sulafa」はそんな彼女たちが刺繍づくりを通し経済的に自立できるよう支援活動をしています。

今、現地は極めて混乱した状況にあります。停戦後すぐに彼女たちを支援できるよう、SNSでみなさんにご協力をお願いした形になります。

中将:現在のガザ難民女性たちの状況についてお聞かせください。

北村:「Sulafa」で刺繍づくりに携わる300人の難民女性たちの安否はまだ確認できていません。特にガザ北部は空爆の被害が大きかったということで心配しています。みんな無事に避難できていればいいのですが…。

中将:パレスチナ刺繍の魅力についてお聞かせください。

北村:パレスチナ刺繍は紀元前のカナン刺繍にルーツを持つと言われている歴史的に非常に奥深い文化です。土地ごとに伝わるモチーフがあり、代々母から娘に伝えられている伝統工芸です。Sulafaの刺繍は完成度も高く、素材にもこだわって作られています。パレスチナ・アマルでは、これらの刺繍の販売を通して、作り手のガザ難民女性たちの尊厳を守りたいと考えています。

中将:今回のご投稿に対し、数多くの応援の声が寄せられました。反響へのご感想をお聞かせください。

北村:これまで4年間同じことを続けているのですが、これほど大きな反響があったのは初めてです。ガザに心を寄せていただける方がこんなにいらっしゃることに感動しています。現地の女性たちにとって本当に大変はこれからなので、支援の輪がさらに大きなものになるよう願っています。

◇ ◇

パレスチナ・アマルで販売しているパレスチナ刺繍にはストールやハンカチにはじまりバッグ、クッションカバー、オーナメントなどさまざまなものがある。

これを手にすることで自立を模索するガザの難民女性の支援ができるならこんなに嬉しい買い物は無い。ご興味のある方はぜひパレスチナ・アマルの公式サイトをチェックしていただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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