卵を使わぬ「ほぼたま」が誕生!? ほぼそっくりな「スクランブルエッグ」を試食してきた

近年は健康志向の高まりや地球環境への配慮から、プラントベース(植物由来)フードの関心が高まりつつあります。卵の加工品を多く販売してきたキユーピーもプラントベースフードの開発に取り組み、その第一弾として発売したのが、「HOBOTAMA(ほぼたま)」という代替卵です。いったいどんな商品なのか開発者に伺ってみました。

■加熱済みなので…解凍してそのまま食べられる

シェフが作るような半熟のスクランブルエッグを作るのは意外と難しいものです。

「HOBOTAMA」は冷凍食品ですが、加熱済みなので解凍するだけですぐに食べられて、見た目はスクランブルエッグそのもの。しかも原材料は豆乳加工品というプラントベースフード。開発者である渡邊さんと梶さんのお二人にどんな商品なのか伺ってみました。

-「HOBOTAMA」の開発のきっかけを教えてください。

「もっとタマゴの美味しさと魅力を届けたい、一人ひとりの食に寄り添っていきたい、子どもたちの明るい未来を支えていきたいという想いがありました。また、長年に渡るタマゴ加工品の開発に携わるなかで、アレルギーなどの理由で卵を食べられない方に向けて、プラントベースの卵不使用の商品にチャレンジしました。開発期間は2年弱かかり、卵の凝固を再現するのに苦労しましたが、タマゴにこだわるキユーピーだからこそ“食感”は妥協できませんでした」

-卵を使ったスクランブルエッグと栄養面での違いは?

「栄養を意識した商品ではないため、卵に比べるとエネルギーや脂質はやや高めです。またタンパク質はかなり少なくなっているため、ダイエット食というわけでもありませんが、豆乳加工品ですので食物繊維は摂取できます」

-プロユース(業務用)とのことですがどういった店舗で食べられるのですか?

「まだ発売したばかりですので飲食店は決まっていません。鶏卵よりもコスト高になるため、アレルギーやプラントベースフードに対しての意識が高い、大豆ミートのハンバーガーを提供しているファストフード、それにホテルや学校給食などに使ってもらうことを想定しています」

実際の栄養成分を比較してみると、100gあたり「HOBOTAMA」のエネルギー178kcal、タンパク質2.3g、脂質13.6g、炭水化物11.8g、食塩相当量0.8gでした。対して鶏卵の栄養成分を日本食品標準成分表2020年度版で確認すると、エネルギーは142kcal、タンパク質12.2g、脂質10.2g、炭水化物0.4g、食塩相当量0.4gでした。

■食感はスクランブルエッグ…でも味は玉子ではない?

試食した「HOBOTAMA」は、流水解凍したものと、流水解凍してさらにレンチンして温めたものを比べてみました。どちらも見た目や食感はまさに、ほぼスクランブルエッグそのもの。

味はレンチンしたものはかすかに豆乳の香りがして、より柔らかい食感になっていましたが、卵の味はしないのでちょっと不思議な感覚でした。これに塩やコショウ、ケチャップなどの調味料で味付けしたらもっとスクランブルエッグに近づくかもしれません。

「HOBOTAMA」そのものを食べることは想定していないということでしたので、コッペパンにマヨネーズとマスタードを塗った「ほぼたまマヨコッペ」も食べてみました。こちらはもう代替卵と言われないと気が付かないほどのほぼたま感。しかもマヨネーズも卵不使用の「卵を使っていないキユーピーエッグケア」というキユーピーの商品を使っているので、卵アレルギーの方でも安心して食べられます。

「HOBOTAMA」は業務用での販売ですが、反応によっては一般向けに市販されるかもしれないとのことです。どんな食感、味なのか気になりますよね?

(まいどなニュース特約・鈴木 博之)

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