やさぐれ感が半端ない5匹の野良猫、実は「おにぎり」!?「かわいすぎて食べられない」と話題
「ニンゲンに心を許さない野良猫集団『やさぐれ会』を作りました」
お皿に並んでいる5匹の猫ちゃんたちの写真が「かわいすぎる」とTwitter上で大きな話題を呼んでいます。実は、これらの猫ちゃんたちは全ておにぎり。
写真には29日までに6万超のリツイートと22万超のいいねがついたほか、リプ欄に「凄い」「心臓わしづかみにされました!!」「可愛すぎる 食えまへん」などと国内外から称賛するコメントが多数寄せられました。また、少しつり目気味の猫ちゃんたちに「いい具合のやさぐれた表情がたまらないです」といった作り手の“細かな表現力”に感激する人も続出しています。
投稿したのは、リアルで斬新なおにぎりアートを手掛けている、おにぎりアーティストの「おにぎり劇場」(@mZHtgivNQr33RCL)さん。作ろうと思ったきっかけなどを伺ってみました。
■黒ごまの目の位置と角度できつい顔になるよう表現…でも、かわいい!
--これまでも犬や猫など動物をかたどったおにぎりをたくさん作られていますが、今回「野良猫集団」を作ろうと思われたきっかけは?
おにぎり劇場さん:「まず、黒ごまのみで目を表現した猫を作ろうと思いました。そこで、ミニサイズのおにぎりで顔を小さくして猫の全身を表現してみようと考えたんです。また、最近保護猫活動に関心を持つようになったこともあり、ミニサイズのおにぎりをたくさん作って野良猫たちを再現してみたいなと思い立ちました」
--「我が道をいくタイプ(すりごま)」「何話してるの?(しょうゆ飯+すりごま、マヨごま)」「たぶんツンデレ(おかか)」「近づきたいけど我慢してる(のりまき)」など、それぞれの猫ちゃんたちの個性が光る作品ですね。“やさぐれ感”を出すためにどのような工夫をされましたか?
おにぎり劇場さん:「黒ごまの目の位置と角度に注意して、きつい顔になるよう配置してみました。それでも、かわいさが残っていたようにも感じましたね」
■小さい三角おにぎりから猫の全身を作り、のりやかつお節などで飾り付け
--猫ちゃんの作り方を教えてください。
おにぎり劇場さん:「はい。これまでのおにぎりはお茶碗1杯程度のご飯の量で作っていましたが、今回はミニサイズなので半量で作りました。まず、小さい三角おにぎりから猫の全身を作り、耳を付けます。次に、細く切ったのりで鼻、口、足のラインを描いて。黒ごまで目を付け、オーロラソースで鼻と耳を描きました。
あとは、好みの模様をのりやかつお節、黒すりごま、黒ごまペーストなどで表現したら出来上がりです。また、1匹だけ黒すりごまを混ぜたご飯でグレーの色の猫ちゃんも作りました。
用意した材料は、黒すりごま、黒ごま、黒ごまペースト、かつお節、マヨネーズ、ケチャップ、のり、塩、ご飯になります」
--材料を飾り付ける際にはピンセットを使われるなど、とても細かい作業のようです。1匹の猫ちゃんを作るのにどれくらいの時間が掛かりましたか?
おにぎり劇場さん:「種類によって作成時間が異なります。1個10~15分くらい掛かりました」
■野良猫集団「やさぐれ会」はどんな味?
--動物をはじめ、歴史上の人物、アニメキャラクターなど多種多様な作品を作られていますね。 これまで作った中で、お気に入りの作品を教えてください。
おにぎり劇場さん:「バランスや形がうまくいった信楽焼たぬきが気に入っています」
--信楽焼たぬきちゃんは、これまた心がほっこりするような作品です。本当に福を招いてくれそう…でも、できあがったおにぎり作品は、写真に撮って鑑賞されたあと、すぐに食べられるとのこと。今回の「やさぐれ会」のお味はいかがでしたか?
おにぎり劇場さん:「ミニサイズのおにぎりなので中に具を入れませんでしたが、混ぜご飯や、表面に使う素材と塩で十分おいしかったです」
ほんのひとときのアート作品でも、おいしく味わえればその感動もひとしお。今後の作品も楽しみにしています。
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■おにぎりのコンテストに応募したのがきっかけ
美術系大学の出身という、おにぎり劇場さん。お子さんのキャラ弁づくりなどから食材デコレーションの楽しさに目覚めたとのこと。“おにぎりアート”を始めたのは2019年夏ごろ、おにぎりのコンテストに応募したのがきっかけとか。
そんなおにぎりアートへの思いについて「おにぎりといえば三角や俵型のものを連想されるかと思いますが、従来の固定観念を壊して、さまざまな形を作ることにチャレンジしています」とおにぎり劇場さん。さらに、作品づくりにあたって「そもそも土台となる『ご飯』自体が崩れやすくて。どっしりとした形ではないと安定しないので、一番モチーフ選びが大変です」と話してくれました。
また、おにぎり劇場さんは、TwitterやInstagramなどに作品画像をアップしています。YouTubeにはメイキング動画も掲載されているので、ぜひご覧ください。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)