30秒茹でて30分放置するだけ!「超しっとりチキンと鷄スープ」がシンプルなのに絶品だと話題に

「鷄ムネ肉を買ってきたら、まずはそのグラム数の2倍の水に、1%の塩とネギの青いとこと生姜を入れて火にかけてください。

沸騰したらムネ肉を入れて下さい。

そのまま30秒茹でたら火を切って蓋をして30分放置して下さい。」

超しっとりチキンと、何も足す必要が無い鷄スープの作り方がSNS上で大きな注目を集めている。

火を通すとバサバサになりがちな鶏ムネ肉がこんなシンプルな調理で絶品メニューに仕上がるなんて。

SNSユーザー達からは…

「このスープをレシピ通りに作って、飲んでみましたが、美味しいどころか涙が止まりませんでした。

小学生の時に飲んだのですが、その料亭が無くなって40年...自分なりに作っても、部位とか分量が違っていたりで何かが足りませんでした。

これ以上に美味しくて想い出深いスープは今までに無かったです。」

「1%塩の分量と、30秒茹でて30分放置する調理法だからズボラ飯なワタシでもイケそう…

挑戦してみます。」

「30秒で熱が入るのかと半信半疑でしたが、きっちりと鶏肉に火が入っていて、しかも、驚くほどしっとりしていたので感激しました。

むね肉料理のレパートリーが少なくて困っていたので助かりました。ありがとうございます。」

など絶賛のコメントが多数寄せられるこのレシピについて、投稿者のイナダシュンスケさん(@inadashunsuke)にお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):しっとりチキンの味わいの魅力についてお聞かせください。

イナダ:余熱でじっくり火を通すレシピなので、肉の水分を保持した状態で文字通り「しっとり」に仕上がります。そして、肉そのものもさることながら、副産物のスープが絶品。鶏の旨味が行き渡った、しかもとてもクリアな味わいの万能スープです。

中将:しっとりチキンを上手く作る上でのコツや注意点などお聞かせください

イナダ:鍋は鶏肉がすっぽり入るギリギリの口径で、なおかつ材質の厚いものを使ってください。蓋がぴったりしまる事も重要です。これらを満たさないと、火を切った後の温度低下が早すぎて加熱不十分になる可能性がありますので、その場合は途中30秒の煮沸時間を最大5分まで延長してください。放置時間を延長しても無意味です。IHコンロも温度低下が早くなる恐れがあるので、放置の工程は保温モードで行ってください。

いずれにしても仕上がりは肉が一番厚い部分の断面を確認して、生っぽかったら電子レンジで追加加熱するなどしてください。肉を取り出した後のスープはすぐに一度沸かしてください。逆に、条件が揃っていれば途中30秒の煮沸時間を短くしてよりしっとりを目指す事も可能です。ただしこれはあくまで料理慣れしていて、かつ食品衛生を充分に理解している方だけの特権です。

中将:オススメのアレンジメニュー、応用メニューなどあればお聞かせください。

イナダ:プレーンな味わいですので、和洋中どんなタレにもよく合います。ポン酢にネギと胡麻油を足したものなどは簡単ですね。簡易版の「よだれ鷄」のレシピは醤油、砂糖、酢、ラー油を「2:2:1:1」で。

酢を黒酢にしたり、ラー油を自家製にしたり、「テンジャンユ」を加えたりするとより本格的になります。スープでご飯を炊いて、チキンを乗せれば「海南鶏飯」も楽しめます。スープはそのままラーメンやうどんなどのスープにもなります。

中将:これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。

イナダ:おいしいだけでなく、とにかく簡単で手がかからない点と喜んでいただいた方が多かったです。タレやスープのアレンジが百人百様で僕も見てて楽しくなりました。調理法そのものは日本のみならず広い地域で昔から行われている伝統的な手法なので、「自分もいつもこれでやってます!」という方も多かったです。

一方で「これでちゃんと火が通って殺菌がなされるのか」と疑問視される方も多くいらっしゃいました。これに対してはもちろん「大丈夫です」と断言することはできません。レシピ通りに作ったとしても、仕上がりの状態はしっかり確認する必要があります。鶏肉の危険性、特にカンピロバクターの危険性はこの料理に限らず、チキンステーキだろうがから揚げだろうがチキンカツだろうが何でも同じです。

是非多くの人に味わっていただきたい超しっとりチキンと鷄スープだが、イナダさんもおっしゃっているように、完全に火を通さない鶏肉には食中毒の恐れがある。その見極めに自信が無い方は同種の料理を提供してくれる飲食店を探したほうが無難なので、けっして無理はしないでいただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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