食パンにクリームを挟んだだけじゃないの?マリトッツォが「今」流行する理由を高級パン専門店「嵜本」に聞いた
パンにたっぷりの生クリームを挟んだイタリア・ローマ発祥のスイーツ「マリトッツォ」。ケーキ屋やパン屋はもちろんコンビニまで、とにかくあらゆる店で販売されており、すさまじい勢いで人気を博している。各メディアやSNSでも「おいしい!」と大絶賛の嵐だ。今やマリトッツォの名前を聞かない日はない。
「そこまでおいしいのならば」とミーハーな気分で、筆者も高級食パンで有名な「嵜本」(株式会社ドロキア・オラシイタ)のマリトッツォを食べてみた。その感想は……確かにおいしい。上品な甘さのクリームのおいしさを、上質なパンが引き立てている。最上のコラボレーションだ。
しかし、ここでふと疑問が思い浮かぶ。これ、結局はパンに生クリームを挟んだだけでは?パン×クリームという一見ありきたりの組み合わせのため、不味くなるはずがないのだ。あえて今、爆発的に流行している理由がわからない。
頭を抱えた筆者は、その人気の理由を実際に嵜本に聞いてみることに。
統括マネージャーの荒井さんにお答えいただいた。
■キーワードは「リーズナブル」「贅沢」「おうち時間」
--「マリトッツォ」について、ただパンにクリームを挟んでいるだけにみえます。どうして「今」人気なのでしょうか。
荒井さん:今は外出が制限されているため、「どうせ買いに行くなら旬のもの」という方が多いんです。スイーツを買うにも、ケーキやパティスリーだと500~600円かかってしまいますが、マリトッツォはもっとリーズナブル。コンビニなら200~300円、嵜本でも300円後半~500円の価格で購入できます。ケーキ店よりも安いけど、コンビニよりはリッチに食べられる。それが人気の理由ではないでしょうか。また、小ぶりで丸くかわいいフォルムが写真映えするのも、女性に人気の理由の一つだと思います。
--やはり「おうち時間」のニーズもあるのですね。
荒井さん:大阪の店舗ではカフェとテイクアウトの双方で提供していますが、テイクアウトのほうが人気です。基本的に食パン自体がおうちで楽しむものです。マリトッツォも含め、嵜本は「おうちでちょっと贅沢な時間をすごしていただきたい」というコンセプトで商品を提供しています。なので「贅沢なおやつ、スイーツタイム」といったところでしょうか。
■高級食パン専門店ならではのおいしさ!嵜本のマリトッツォ
実際に話を聞いてみて、合点がいった。これはただクリームをパンに挟んでいるだけの代物ではない。「安いのに贅沢」「単純なのにかわいい」という予想外を重ねた奇跡のスイーツなのだ。
無難な組み合わせではあるが、どちらもおいしいため「ハズレ」がない。その簡単さから企業・店のマリトッツォへの参入障壁も低い。そこにさまざまな店舗が多くのバリエーションのマリトッツォを生み出したことで、ますます市場は熱くなったのだろう。
ちなみに筆者の食べた「嵜本」のマリトッツォについて、その魅力の秘密も教えてくれた。
「食パンは、最高級と称される北米産の小麦と国内産の小麦、北海道産の牛乳と生クリーム、そして厳選したバターや蜂蜜のコクを閉じ込めて特別な製法で作りました。そこに北海道産サワークリームを使用し、上品でスッキリとした後味のホイップクリームを挟み込む。絶妙なバランスなので、高級食パン専門店ならではの商品になったと思います」
また「食パン専門ブランド」を超えたこだわりについてはこう語る。
「ケーキで使用するような大変繊細なクリームでお作りしております。そのためお持ち歩きは1時間以内、そのあとは冷蔵庫に入れていただき当日中にご賞味いただきたい…という大変デリケートな商品です。その分、口当たりや香りなど、リッチな味わいをお楽しみいただけるかと思います」
嵜本のマリトッツォは、「プレーン」「いちご」「ピスタチオ」の3種類が用意されている。
自分の好みに合わせて選ぶのもよし、全部買って食べ比べるのもよし。なかなか外出できないからこそ、マリトッツォでリッチなおうち時間を過ごしてみてはいかが。
■店舗情報
店名:AKICHIポップアップストア-嵜本のマリトッツォ
住所:〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中2丁目3-20
開催期間:2021年5月1日(土)~2021年7月31日(土)
営業時間:平日...12時~18時/土日祝...11時~18時
定休日:不定休
お問い合わせ:(株)ドロキア・オラシイタ 0120-398-033(平日10:00~17:00)
(まいどなニュース特約・桑田 萌)