動物病院に捨てられていた子猫を家族に 話し相手になってくれたり、調子が悪いと添い寝してくれたりと、まるで彼氏のよう

■動物病院に捨てられていた子猫

銀時くん(2歳2カ月・オス)は、動物病院の入り口に捨てられていた子猫だった。

2019年4月、大阪府に住むMさんのところに、「こんな可愛い子猫が捨てられていたらしい」と姪から写真が送られてきた。姪は猫を飼っていたのだが、たまたまかかりつけにしていた動物病院に捨てられていたのが銀時くんだった。生後2カ月くらいだった。

Mさんは、もともと犬派だった。なかなか猫と触れ合う機会がなかったが、姪が猫を飼い始めたのを機に「猫も可愛いな」と思うようになったという。ただ、一人暮らしだったのですぐに飼う気にはなれず、1年間悩んで猫を迎えることに決めた。

そんな時に送られてきた銀時くんの写真。Mさんは一目見た瞬間「この子や!」と思い、動物病院にお見合いに行った。獣医師に抱っこされて現れた銀時くん。診察台に乗せられ、座ったと思ったらすぐに眠ってしまった。

「緊張感ゼロでした(笑)。撫でても起きないので『人見知りしないの?』と思いましたが、ただ眠かったようです(笑)。最初、緑色のリボンを巻かれていた銀時を見た時は、『何!この可愛らしさ!』と、思わず舞い上がりましたが、小さいし大丈夫かなという不安もありました。それでも可愛いという気持ちを抑えることができず、銀時を迎えることにしたんです」

■勇ましい名前が似合わず・・・

Mさんは初めて猫を飼うので、まず迎える準備をして、お見合いから1週間後、ドキドキしながら動物病院まで迎えに行った。銀時くんは、電車の中でも鳴かない賢い猫だったという。

家に着いてキャリーバッグのふたを開けると、銀時くんはぴょこんと飛び出てきて、飛び跳ねながら走りまわって部屋中を探検した。まったく物おじしない様子に、Mさんは「こりゃ大変なことになるかも」と思ったが、慣れると落ち着いたという。

男の子だから強そうな戦国武将にちなんだ名前にしようと思い、Mさんは姪と候補を出し合った。

「顔と名前がいまいちピタッと合わなくて悩んでいたのですが、同時に『銀時は?』って(笑)。お互い漫画の『銀魂』が好きで、主人公の『坂田銀時』から名前をもらいました。動物病院でも銀次と呼ばれていて、『銀』の字が入っていたんです」

■甘えん坊で、ママ大好き

銀時くんは、とにかくMさんが大好き。よく鳴いて話しかけてくる。撫でてほしい時は、必ずキッチンから「ニャア」と鳴いてMさんを呼ぶ。

寂しがり屋で、Mさんが出かける時は準備をしている間ずっとついて回り、帰宅したら必ず一番に迎えにきてくれる。Mさんの体調が悪い時は、常に一緒に寝てくれるという。

「ただの親バカかもしれませんが、それでも嬉しいんです(笑)」

銀時くんを迎えて生活に張りが出たというMさん。

「銀ちゃんは本当に頭が良くて、人の言っていることが分かるんです(笑)。だからよく話し相手になってもらっています」

その後2匹の猫を迎え、3ニャンズと楽しく賑やかに暮らしているが、縁があればまた猫を迎えたいと思っているそうだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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