食、コスメ、ファッション…韓国のいまが詰まったウワサの複合ビル 大阪に爆誕!
ソウルやプサンに行かずとも韓国の魅力を丸ごと体感できる商業施設「春夏秋冬ビル」が大阪・鶴橋コリアンタウンにオープンし、反響を呼んでいる。若者の街、ソウルのホンデにある人気カフェをイメージした4階建てにグルメ、ファッション、コスメ、雑貨など韓国のいまをギューッと詰め込んだ8店舗がそろう。早速、味わい尽くしてみた。
■目利きと仕入れルートに驚き
ウワサは早くから耳にしていた。世界最大級のコリアンタウン、鶴橋に韓国の魅力が詰まった商業施設が装いも新たにオープンする…と。実際に「春夏秋冬ビル」を訪ねてみると、想像していた以上におしゃれで快適。品ぞろえは質、量とも充実しており、仕入れルートと目利きの鋭さにもうなるしかなかった。
場所は鶴橋駅からてくてく歩いて15分ほど。大阪市生野区のコリアンタウンのメインストリートにあたる御幸通の中心付近にあり、緑色で書かれた「LEE MART」のロゴとチマチョゴリのイラストが目を引く。
なるほど、外観はソウルにある若者街のひとつ、弘大(ホンデ)にあるカフェをイメージしたとあって、シンプルでおしゃれな4階建て。ビル名の「春夏秋冬ビル」には「四季折々、1年中いろいろな人に集まって楽しんでいただきたい」というオーナーの思いがこもっているそうだ。
実際、各フロアをのぞくと様々な表情を見せてくれた。まずは最上階の4階へ。ここは「ハンボック(韓服)カフェ」と「チマチョゴリレンタル」からなっており、女性同士やカップルにはもってこいだろう。
まずは、着いたばかりなのになぜか休憩。涼しげな韓服をまとったスタッフは黒毛和牛のプルコギワッフル(1000円)、プルコギキンパ(800円)、さらに4種のチヂミ(1000円)を勧めてくれた。飲み物も豊富。私はレモンソーダを頼んだが、かわいらしいハングルをあしらったショットグラスに入った韓国焼酎のチャミスル4種類飲み比べセット(1000円)もお酒好きにはいいかもしれない。
■BTSではなく、BCSですって?
思わず、その商魂に感心したのは「BCS」(600円)と名づけられたバイオレットクリームソーダ。ソーダ部分の紫色は韓国の超人気グループ、BTSを意識したといい、ちょうどそのとき、室内の大型ビジョンがBTSに切り替わった。
チマチョゴリレンタルは、それはそれは女性に大人気。襟のしっかりした伝統的なものからパステル調、あるいは現代風で膝丈が短く、動きやすいチマまでを直輸入し、全部で25着を取りそろえている。料金は1時間2000円~3000円。そのまま外出できるそうで、その気になって韓国ドラマのヒロインを味わえちゃうかもしれない。
先を急ごう。3階は「K-BEAUTY HOUCE」がワンフロアを丸ごと仕切り、いわゆるプチプラコスメがドドーンと並んでいた。価格は50円から8000円。ソウル出身のイケメンオーナー、チョン・ビョンジュンさん(36)が勧めてくれたのは、植物性由来のシカクリームと膝下あたりまでカバーできる足用のパック。「かかとの角質やむくみが取れ、マッサージ効果でクーリングされ、足がキュッとなる」とほほえんだ。
オープン記念として、5000円以上購入するとBTSとのコラボ商品でファンデーションやリップが入った「the sweet special edition set」を先着でプレゼント。BTSファンにはたまらないのではないか。また1台150万円というウワサのプリクラ機「人生写真館」(シンセイサジンカン、1回500円)を設置。コスプレグッズやパウダールームも用意されており、チマチョゴリをまとって、プリクラを楽しむのも一興だ。
2階には3店舗が入り、雑貨やアパレル、アクセサリーを扱っている。「そむんなんデチョル」は、ウワサのという意味があり、オーナーのデチョルさんが選んだ話題の商品を販売することをコンセプトにしたお店。粉末ビタミン剤「レモナ」(350円)は人気女性グループのTWICEがパッケージに登場しており、思わず買いたくなった。
韓国語で「キス」を意味する「POPO」は南大門や東大門で、はやっている5000点以上の商品をリアルタイムでそろえるのが売り。ピアスをメインに”にこちゃん”シリーズのカバンやサンダル、派手な靴やスニーカーに、ど派手な靴下(7足1000円!)が手ごろな値段でそろっている。
一方、大人の女性には「セッピョル We」がお勧め。こちらはインチョン空港の免税店やデパートで扱うハイブランドコスメをお手ごろな価格で販売する。オーナーこだわりの1点ものアクセサリーも扱っている。
■まるでソウルのスーパー、チャパグリもあったぞ
いよいよ最後は1階の「LEE MART」だ。ここは韓国発の調味料、塩、ソース、缶詰、キムチ、酒類など450点の食材を集めたスーパーマーケット。特にインスタント麺が豊富で爆発的にヒットした韓国映画「パラサイト 半地下の家族」に登場したことで有名になった韓国食品大手「農心」の「チャパグリ」も棚に並んでいた。
これは、韓国を代表するインスタントラーメン「チャパゲティ」と「ノグリ」を合体させたもので、国内では賛否両論あるものの、韓国では上位人気だとか。他にも関西初上陸のお菓子も販売されており、実際に食べて確かめるのが一番だろう。店舗の母体は鶴橋駅周辺で焼肉店「牛一」などを展開しており、精肉の品ぞろえも言うことなしだ。
そうそう、オープン前のレセプションには大阪観光局の溝畑宏理事長も視察。店内の雰囲気に酔ったわけでもあるまいが、終始上機嫌でエクッカ(愛国歌)を口ずさんでいた、ことも触れておこう。
ソウル生まれで、現在は大阪在住。今回の取材に同行してくれた大韓民国全羅南道大阪事務所の高ウンヒ課長は「外観からだけだと、チマチョゴリが着られるのが分かりづらいので工夫する必要がありそうですが、何十年ぶりかでチマチョゴリを着て、楽しかったです。こんなご時世、ソウルにはなかなか帰れないので、また来たいですね」と話した。
食べて、軽く飲んで、ファッションやコスメを堪能。韓国のいまがぎっしり詰まった春夏秋冬ビル。名前は日本的ながら、ここは来れば、まるでソウルの街角にタイムスリップしたような感覚を味わうことができる。
◇春夏秋冬ビル
大阪市生野区桃谷4-6-13
定休日なし(不定休)
電話06(6715)0911
営業時間は10時~19時
(まいどなニュース特約・山本 智行)