2匹目を飼うべきか「どうしよう」迷っていた夫妻に里親の話 迎えた子猫は美猫に成長した
■身を寄せ合う3匹の子猫たち
ルナちゃん(1歳10ヶ月・メス)は、親猫からはぐれ、きょうだいと一緒にいたところを保護された。
千葉県に住む佐藤さんの友人は、近所のトタンの下で身を寄せ合って隠れている3匹の子猫を見つけた。親猫とははぐれたようだった。友人は子猫たちを保護したが、猫アレルギーで飼うことができず、佐藤さんに「誰か引き取って切れる人はいないか」と相談してきたという。
佐藤さんは、2019年10月から実家の庭で保護したシンバくんと暮らしていた。シンバくんのことは我が子のように可愛がっていたが、夫婦2人とも仕事が多忙で帰宅時間が遅かった。
「私たちはシンバが寂しい思いをしているのではないかと思い、遊び相手がいたほうがいいのではないかと考えていました。ただ、シンバを飼いはじめてまだ2カ月。まだまだこれからという時に2匹目を迎えるのはどうなんだろうと悩みました」
そんな時に聞いた知人の話。佐藤さん夫婦は、2匹目をどうするのか答えが出ないまま、導かれるようにその子猫たちに会いに行った。
■上位争い、勝者はどっち?
友人は猫のために小屋を建ててかくまっていた。佐藤さんが子猫たちを見ると、3匹のうち1匹はすぐに逃げて隠れてしまったが、残りの2匹は、「なんか知らない人が来たぞ。でも、とりあえず遊んどけ」という感じで、夫妻に興味を示した。なかでもルナちゃんは、えさを見せると警戒しながらもついてきて賢そうだった。
3匹とも体の大きさがシンバと同じくらい。佐藤さんは、ルナちゃんならシンバくんと上手くやれると思い、ルナちゃんを迎えることにしたという。
キャリーバッグに入れてルナちゃんを連れて帰ったが、とても大人しくて、手がかからなかった。シンバくんもルナちゃんも不妊手術をしていなかったので、最初の1カ月くらいは隔離した。
「初対面の時、シンバが先輩風を吹かせようと必死に頑張っていた姿が今でも笑えるエピソードです。2匹の上下関係についてはご想像にお任せします(笑)」
名前はシンバがライオンキングにちなんでいたので、真っ先に候補に挙がったのが「ナラ」だったのですが、「ちょっと呼びにくいよね?」という話になり、メスだし可愛いから「ルナ」にしました。
■猫だんごになって眠る2匹
ルナちゃんは好奇心旺盛で身体能力抜群。シンバくんが登れないよ180度体がねじれた状態でも眠りについてしまい、まるで軟体動物のようだという。
2匹が初めて顔を合わせてから約1カ月、権力争いに明け暮れる日々だったが決着がついたようで、ある日、並んですやすや眠っていた。
「その光景を目にした時は、とてもほっこりした気持ちになりました。いつからか2匹が本当の兄妹のように過ごすようになり、助けあい、互いに思いやるようになってきました」
ルナちゃんは根っからのかまってちゃん。佐藤さんが家の中で移動すると必ずと言っていいほどついてくる。ゴロンして「お腹もしゃもしゃして~」と毎日おねだりしてくる。
「これを満足するまでやらないと許してもらえません。年頃の女の子には頭があがりませんね(笑)『安心してね。俺が一生守るからね』が合言葉です」
コロナ禍、まだまだ世の中的に落ち着かない日が続いているが、佐藤さんは、どんな時でもシンバくんとルナちゃんに癒されるという。
「猫がいる生活がこんなにも素晴らしく、前向きな気持ちになれるとは思いもしませんでした。いつも味方でいてくれるシンバとルナ、存在そのものに感謝しています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)