食べきれなくて、あやうく不登校!?「給食」で悩む子どもに「家庭でできる工夫」「学校側に相談すること」
毎日提供してもらえて、栄養バランス抜群の給食。親にとってはありがたい限りですが、「量が多くて完食できない」「食べるスピードが遅くて食べ終わるのが一番遅い」など、悩みを持つ子どもも少なくありません。特に低学年の子どもにとっては登校しぶりの原因になることもあります。親は「そんなことで?」と思うようなことでも、子どもの心は些細なことでいっぱいになっていたりします。給食で悩む子どものために、ママが家で行った工夫や学校側に相談して対応してもらえたことなどを紹介します。
■給食が苦手な理由はさまざま
給食が苦手と思ってしまう理由は、子どもによってさまざまです。どうして食べるのが遅かったり、完食できなかったりするのか、その理由を聞いてみました。
▽好き嫌いが多くて、給食が苦手
嫌いな食べ物が多い息子。特に野菜が苦手で、いつも最後に食べようと残し、あわよくば食べずに残したりします。学校でも最後まで野菜を残し、なかなか時間内に食べ終わらないという状態。給食に苦手意識があるようで、「あ、明日は大丈夫かも」「うわ~野菜だらけのメニューだ…」と毎日明日の献立表をじっくり確認しています。〔Hさん、子ども8歳〕
▽そもそも食べるスピードが遅くて、とにかく時間がかかる
食べるスピードがとても遅い娘は、ご飯を1時間以上かけて食べます。朝ごはんは早い時間に少なめに出して、なんとか間に合うようにしていますが、夕飯は下手すると2時間近くかかることも。保育園のときは、みんなが食べ終わってお昼寝タイムになってもまだ食べている、という感じでした。
家では食事中にテレビはつけないで、集中して早めに食べるなどの練習もしたのですが、どうにも速くならない…咀嚼力が弱いのか、嚥下に問題があるのかと悩み、小児科に行ったこともあります。でも、特に問題はなし。学校の給食はギリギリ時間内に食べ終わっているようですが、5年生になった今も毎回一番ビリで、「受験して給食のない私立中学に行きたい」と言っています…〔Tさん、子ども11歳、7歳〕
▽給食が嫌だから休みたい…
小食の息子にとって給食の量がすごく多く感じるらしく、だんだん食べることが苦痛になり「学校に行きたくない」という状態になってしまいました。先生に相談したところ、学校ではすでに量を減らす対応をしてくれていました。やっと聞き出すと、「牛乳を飲み切るのが辛い」とのこと。でもどうしていいか分からず言い出せなかったようです。私から先生にその旨伝えたところ、牛乳が大好きな子に半分飲んでもらう(もちろんコップに注いで)という対応をしてくれたので、嫌がらず学校に行けるようになりました。まだ小学校1年生、成長とともに食も太くなっていくかな、と淡い期待を抱きながら様子を見ていこうと思っています。〔Fさん、子ども7歳〕
■家でママがしている工夫とは?
給食に対する不安感、苦手意識や心配事を減らすために、ママたちがやってみた対応や工夫、その後の子どもの変化を紹介します。
▽給食っぽく盛りつける
小1になって間もないころ、「食べきれるかなー」となんとなく漠然とした不安感があった次男。まだ給食に慣れてないのかな、ならば!と、家族全員の夕飯を給食っぽく盛り付けてみました。ネットで散々給食の画像を見て研究(笑)。最初に長男が「うわ、給食みてぇ!」と反応、次男も家だからか完食していました。学校で大人数で食べる、という環境にも緊張していたのかもしれません。
家で給食スタイルで食べることでだんだん慣れたようで、学校でも不安なく食べられるようになっていったようです。最初は「逆効果になるかな」と不安でしたが、功を奏してよかった。〔Tさん、子ども12歳、10歳〕
▽前日に少しだけ給食の話をする
好き嫌いが多く、給食が苦手だった娘と、前日に翌日の給食について話し合う習慣をつけてみました。「明日のメニューはこれだね。ママ、子どもの頃大好きだったよ」「このメニューはMちゃん(子ども)が好きな味付けだね」「これは背が高くなるのに効果がある食べ物みたいよ」など。それでも「ムムム…」と思うものはあったようですが、「あ、ママが大丈夫って言ってたけどホントだ」と思ってくれるようになったのか、少しずつ苦手意識が払しょくされていったようです。〔Uさん、子ども9歳〕
■給食残しはダメなの?学校側の対応とは
一昔前は、全部食べるまで「ごちそうさま」をしてはダメ、量はみんな一緒など厳しめでしたが(全部の学校がそうとは限りません)、今は残してもOK、その子どもの食べられる量やスピードなどに対応してくれる学校が多いようです。
▽少なめに盛ってもらう
そんなに小食でもなかった娘なのですが、給食は「ドカっ」盛られているイメージが抜けず、「食べられるかな」という不安が先行してしまい、食べるスピードも遅くなってしまいました。連絡帳で先生に伝え、電話で直接相談したところ、「量が多く感じて食べきれないお子さんは他にもいるので、同じようにあらかじめ少なく盛るようにします」という対応をしていただきました。配膳のとき後ろの方に並べば、「量少なめ」というサインなので、わざわざ申告せずに乗り切れているようです。〔Sさん、子ども7歳〕
▽調整時間を設ける
就学前の入学説明会で個別相談があったので、そこで「息子がかなり小食なので、今から給食を心配しています」と相談しました。「そのようなお子さんはけっこういらっしゃるので、現在は少なめに盛りつける、それでも多いと感じるお子さんもいるので、“量を自分で調整する時間“を設けています」とのこと。要は、「いただきます」の後に、自分が食べきれないと思う食べ物を減らせる時間を作るそうです。それでもやっぱり無理だったら、残してOKだそう。そのおかげで、「給食が多くて無理!」ということはありませんでした。小学6年の今は、小食だった君はどこへ行ったの?という感じでモリモリ食べています(苦笑)。今はコロナ禍なので、給食の対応もまた少し変わっているのかな…。〔Yさん、子ども12歳、8歳〕
▽遅い子でグループを作ってもらう
とにかく食べるスピードが遅い息子は、早く食べ終わる子がいるとますます焦って食べるのがもっと辛くなる、という悪循環に陥っていました。別に遅いからバカにされるということもなかったのに、「給食マジで辛い。今日休みたい」とプチ不登校気味になってしまいました。これはマズいと思い、先生に直接相談しました。
食べるのが遅い子ども同士で班を作ってくれて、その中には運動神経抜群でモテモテの男子(1年生なのに)、ひょうきんでクラスの人気者の女の子などもいて。でも班全員「食べるのは遅い」というギャップもあって(笑)。そんな感じで、ワイワイなごみながらスローペースで楽しく、でもぎりっぎり時間内に食べられるように。先生、なかなかナイスアイデア!と、感謝の気持ちでいっぱいです。〔Iさん、子ども7歳〕
◇ ◇
給食は配膳~片づけでおおよそ45分~50分、その中で食べる時間は15~20分程度しかありません。小学校低学年がこんなタイトな時間内で全部食べ切るのは、けっこうきついかもしれません。「給食が食べきれないから辛い、休みたい」と思ってしまうのも、分かる気がします。
量を減らす、残すのもOKとする学校も多く、中には「私の嫌いな食べものはこれだよ!」と公表して、「先生にも嫌いなものがあるんだ」と子どもに安心感を与える先生もいるようです。現在はコロナ禍でもあるため、学校側の対応も変わっているかと思いますが、子どもが給食で悩んでいる場合、一度担任の先生に相談するのをお勧めします。また、家でも「給食は美味しくて、楽しい時間だよ」と安心感を与えたり、配膳や味付けを真似するなど給食に慣れる工夫をしていけたらいいですね。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)