京都・三条木屋町通りに佇み、完全紹介制で1日3組限定の「京料理 箔（はく）」がクラウドファンディングのMakuake限定会員を募集し、話題になっている。応援購入者に特別枠を確保し、スペシャルコースを用意。会員になれば、様々なリターンが得られる。募集開始わずか30分で目標額に達成し、その後の達成率1400％というほどの人気店。そんな「京料理 箔」を取材させてもらった。

■三条駅からすぐ、一歩入れば非日常の別世界

　鴨川と高瀬川に挟まれた京都・三条木屋町通りに面して建つ「京料理 箔」は業界では名高い、竹嶋力さんを店主、料理長に迎え、2019年に再始動した。運営するGLIONグループは国産車3ブランド、輸入車15ブランドのディーラー事業や海外事業を展開。その一方で、おもてなしの心を持ったプロ集団としてホスピタリティにも力を入れ、レストラン経営にも携わってきた。肉割烹をメーンにした「京料理　箔」は、その柱のひとつだ。

　場所は京阪三条駅とは目と鼻の先の徒歩5分ほどの距離。それでいて小径を抜け、門をくぐれば、都会の喧騒とはかけ離れた別世界が広がる。建物は坂本龍馬に剣術を指導し、土佐四天王と呼ばれた中の1人、武市半平太が上洛の折に住居としていたものをリノベーション。当時のままの床の間の床や、床柱、隠れ階段跡などが残っていて見逃せない。

　席は完全個室を用意し、落ち着いた佇まい。中でも鴨川を一望できる部屋からの風情には感動すら覚えたほどだ。しかし、普段は完全紹介制の、いわゆる一見（いちげん）さんお断り。最大限のおもてなしをするため、1日3組限定としていた。

■紹介者ナシでは利用できない「箔」が限定募集

　そんな中、画期的な試みを実施することになったのは今年5月。クラウドファンディングのMakuakeで限定会員を募集し、それにより、紹介者がいなくても入店できることに。マネジャーの森直人さんが言う。

　「これまで紹介者はいないんだけど、”行ってみたい”というお声を多数頂戴していました。そこで今回、少しでも多くのお客様に知っていただきたい思いからクラウドファンディングのMakuake応援購入頂いた方に特別枠を設け、席を用意することにしました。大変好評なのはありがたいのですが、最初で最後の試みになるかもしれません」

　実際に会員になると、Makuake限定のスペシャルコースや同グループが大阪で運営するステーキハウス「AKARENGA STEAK HOUSE」のコースをMakuake限定価格で利用できるという。

　さらに、応援購入した人には、店の予約権の他に、お得なリターン（お返し）を用意。たとえば、アフタヌーンティーを利用できる1口7000円のものから、箔のフルパックが楽しめる1口30万円のものまで額に応じて計7パターンのラインナップが用意されている。

　リターンの目玉の1つである「Makuake限定コース」（総額30250円の内容が25000円で利用可能）は、竹嶋料理長が応援購入した人のためだけに作るスペシャルコースだ。贅沢な食材をふんだんに使用し「食べ過ぎ注意の痛風グルメ」をコンセプトとしている。「この機会に箔に行きたくて」という人が多かったようで、募集開始からわずか30分での目標達成は、その人気ぶりが垣間見えたようだ。

■「箔」の料理を食すれば、ファンになる

　「京料理 箔」では、料理長1人で仕込みから仕上げまで行うというからすごい。名物は料理長考案のウニですき焼きを食す「雲丹すき焼き」だ。厳選した和牛にとろけるほど濃厚でクリーミーな北海道の生ウニがかかっている。他にも、肉寿司などその日によって変わる様々な肉料理や、痛風になってしまいそうなほど贅沢な海鮮食材を使った美味な料理が出てくる。料亭では珍しいパティシエもいる。繊細かつ丁寧に作り上げられるデザートはどれも感動ものと、評判だ。

　敷居の高そうな料亭もクラウドファンディングでおトクに利用できるのはうれしい。実際、「京料理 箔」のお料理は一品一品が感動もの。今回のMakuakeでの人気ぶりも納得できた。15日現在、応援購入の残りは12日。この機会にぜひ、味わってみてはいかがでしょうか。

「京料理　箔」

京都市中京区木屋町通三条上ル上大阪町528-3

（まいどなニュース特約・八木 純子）