妊娠した野良猫、保護主さん宅で無事出産 我が子ではない乳飲み子も一緒に育てる愛情深さ発揮
■妊娠した地域猫
麦ちゃん(4歳・メス)は、妊娠していた時にボランティアに保護された。
神奈川県に住む山崎さんは、猫の保護活動を一緒にしているボランティア仲間から、「近所にいる野良の妊婦猫を保護したい」と聞いて手伝うことになった。その子が麦ちゃんだった。
麦ちゃんは地域猫の三毛猫が1年前に産んだ猫で、成長して妊娠したのだった。子猫の時から人間と関わっていたので警戒心がなく、普通に抱っこしてキャリーに入れて保護できた。細い身体だったが、ぽっこりお腹で、間もなく出産すると思われた。
「野良猫だったのにとても甘えん坊で、初めて抱っこした時、私の首に両手を絡ませて抱きついてきました。頬に顔を擦り付けてぐるぐる喉を鳴らしていました。あまりにも可愛くてびっくりしました」
■譲渡会がストレス、うちの子に
山崎さんは、いつも保護猫を預かる時に使う専用の部屋を、先住の介護で使用した屋根付きの広い一段ケージに猫ベッドを入れて産室に。いつでも出産できるようにした。麦ちゃんは初めて家の中で生活したが、すんなりと馴染み、特におびえることもなかった。先住猫ともまあまあ仲良くなれた。
保護してから10日ほど経つと、深夜1時頃に突然出産が始まり、1時間くらいで4匹産んだという。
無事出産した麦ちゃんは、子猫たちと一緒に譲渡会に参加した。しかし、麦ちゃんと娘のライ麦ちゃんは譲渡会に行くたびにストレスを感じるようなので、譲渡会に参加するのをやめて山崎さんが迎えることにした。
■我が子ではない乳飲み子を育てる
明るい麦わら柄の麦ちゃん。性格はおっとり系だが、好きな子と嫌いな子がはっきりしていて、一緒に暮らすおちょんちゃんとは不仲だ。しかし愛情深いところがあり、山崎さんが預かった遺棄された乳飲み子を、我が子でもないのに自分の子供たちと一緒に育ててくれた。子育てが終わってのんびり過ごしていた時も、テレビから乳飲み子の鳴き声がすると、慌ててテレビの前に走ってきて子猫を探す仕草をしていたという。
山崎さんは麦ちゃん親子が仲睦まじくしているのを見て、その関係性に感心したり、笑ったりできて、いい体験ができたという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)