もしもあなたの猫がいなくなったら、特徴を言えますか? 「猫相」が変わっても“我が子”と断定するために
猫は完全室内飼いしている方が多いと思いますが、地震に驚くなど、思いがけないことで外に出てしまうことがあります。もし長期間見つからないと、あなたの猫の猫相は変わっているかもしれません。大阪府で猫の不妊手術専門のクリニックを運営しているHappy tabby clinicの獣医師、橋本恵莉子さん(以下、橋本)は、猫の細かい特徴を知っておくといいと言います。
■猫が行方不明に!?
--先生の猫が行方不明になってしまったのですか?
橋本「先日、私の飼い猫が家の中で行方不明になったと思って、出勤前のバタバタの時間に焦ったことがありました。知らない間に猫が人間のトイレやクローゼットに入っていて、気づかずに閉じ込めてしまったという経験のある人もいると思いますが、うちでは出勤前に必ず、居場所を確認して、『一日中閉じ込めてもうた!』ということがないようにしています。
ところが、あの日は、いつもいるはずの場所にもおらず、どこを探してもいなくて。結局、家の中の布団のすき間にいたのですが、一瞬、『まさか外に出たのか?!』とドキッとしたのです」
■猫の細かい特徴を知っておいたほうがいい
--それで、万が一脱走した時に備えて、猫の特徴を知っておいたほうがいいと思われたのですね。
橋本「そうです。万が一、脱走して迷子になって、数カ月後に再会した時に、果たして私は自分の猫だと自信を持って断定できるのだろうか?と考えました。私の猫、ポンちゃんは何の変哲もない黒猫です。唯一の特徴といえば、大柄で恰幅が良いことくらい。飼い猫はお外で食べ物を得る方法を知りません。迷子になって食べ物にもありつけず数ヶ月もさまよっていたら、やせ細り、脱水で目は落ち窪み、毛は汚れて色が変わり、まるで風貌が変わっていることも少なくないのです」
--たとえばどんな特徴を知っておくといいでしょうか?
橋本 「特にうちのポンちゃんみたいに、柄のない猫ならなおさら。ゴツいのがトレードマークだった彼がガリガリになっていたら、ゴツい以外の特徴を覚えてなければ、ポンだと特定できないかもしれません。そこで、さらに細かい特徴、痩せても変わらない特徴を知っておくことが必要だと思います。うちのポンであれば、右上の犬歯が抜けている、右目の瞳に黒いシミがあるなど」
--捜索の時のポスターには、どう書いたらいいのでしょうか。
橋本 」「迷い猫を探すポスターは、『黒猫♂探しています!』くらいが良いと思いますが、それと思われる猫を見たとき、自分の猫だと判定できる特徴を、飼い主さんは知っておくことが大切だと思います。是非、自分家の猫さんの細かいけれども大切な特徴を探してみてくださいね!」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)