保健所から引き出された隻眼猫にひとめぼれ がに股で走り回る姿を見て癒される日々
■片目が収縮した子猫
ラテちゃん(3歳・メス)は、猛暑の夏に埼玉県熊谷市内の道路で保護され、保健所に連れてこられて、保護猫活動をしている団体が引き出した。保護された当時、片目が収縮していて、その目から膿が出ていた。耳にもダニがいたという。
埼玉県に住む佐藤さんの妻は、長年保護猫ボランティアを続けていて、いつか保護猫を迎えたいと考えていたのだが、団体が引き取ったラテちゃんを見てひとめぼれ。佐藤さんも実家で猫を飼っていたことがあり、猫が大好きだったのでラテちゃんを家族に迎えることにしたという。
■走りまわれる家に興奮!
初めてラテちゃんを見たとき、佐藤さんは少しかわいそうだと思ったが、ケージの隙間から手を伸ばす姿など、人間に「甘えたい」と訴える姿がとても愛くるしく思えたという。
2018年11月23日、団体の代表がラテちゃんを自宅に連れてきてくれた。ラテちゃんはゴロゴロとのどを鳴らして興奮し、部屋中を元気に走り回った。
「保護猫シェルターでは主にケージで生活していたからでしょうか、広々と走り回れるので嬉しそうにしていました」
名前は、保護猫シェルターでつけてもらった名前を変えないことにした。毛の色が薄い茶色と白色が混じりあっているため、ラテちゃんになったという。
「実は苗字もつけていて、本名は『餅丸ラテ助』です。お餅のような丸さと白さ、女の子ではありますが、ドテドテッと、がに股で走る姿にちなんでいます」
獣医師に目を手術してもらうと、片目のままだが膿は出ないようになった。
■猫中心の生活
ラテちゃんはちょっぴりどんくさくて、のんきなおとぼけさん。掃除機の音や動物病院で会う大型犬にも怯えない強心臓で、怖いもの知らずなところもある。ボール遊びや猫じゃらしも大好き。遊び疲れると電池が切れたようにソファでゆったりくつろいでいる。
「今では迎えた頃よりも、人間の近くに来たり、甘えたりすることが多くなって、ベロベロなめてくるのが嬉しいんです!甘えたい時は『キャキャ』と鳴きます。いつも人間の側にいたいらしく、家事をしていると必ずついてきます」
ラテちゃんを迎えて佐藤さんはすっかり猫中心の生活になったという。
「今日は爪を切ろうか」「休日なので美味しいおやつを買ってあげようか」など、猫のために1日のスケジュールを考える。まるで子供を授かったような感覚なんだという。
ラテちゃんを迎えた後、佐藤さんは新たに2匹の猫を迎えたが、家族の会話は猫中心。仕事で疲れた時も猫たちが癒してくれる。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)