「アリ婚」と「ナシ婚」は1年で逆転 コロナ禍のウエディング事情

依然として猛威を振るい続ける新型コロナウイルス。感染拡大の影響はとどまることがなく、依然として今も人々の生活に制限が強いられています。

強いられているのは、多くの人の生活だけでなく、本来はめでたく新たな人生のスタートのような意味合いも持つ「結婚」にも大きな影響を与えています。特に一大セレモニーであるはずの結婚式は、「外出自粛」「お酒の提供ができない」といった理由から実施しないカップルも多くいるようです。

コロナ禍において挙式や披露宴を行った、もしくは行う予定の「アリ婚」、そして、結婚式を行わず予定もない「ナシ婚」についての調査結果をご紹介します。このデータは「結婚を祝う新しいカタチ」を提案する株式会社エニマリによるものです。

■「アリ婚」と「ナシ婚」は1年で逆転。「ナシ婚」の理由はやはりコロナの影響大

昨年は60%ほどの夫婦が「アリ婚」でしたが、わずか1年で逆転。「ナシ婚」が66%以上を占めるという結果に。コロナ禍の規制や自粛の影響が確実に結婚式にも影響を与えていることが見て取れます。また、「ナシ婚」を選んだ理由の断トツが「新型コロナの影響」という結果でした。

一方、「結婚式以外のことにお金を使いたい」「目立つのが好きじゃない」という結婚式に対する価値観の違いや「お金がない」「準備が大変で時間がかかる」と金銭面や時間的なリソースが厳しかったという理由も上位を占めていました。

また、結婚式以外のことにお金を使いたい、人前に出るのが好きじゃないという人もそれぞれ30%以上です。「お金をかけ、豪勢な結婚式をあげる」という価値観は、少しずつ薄れてきているのでしょうか。

■結婚式、「挙げられるなら挙げたい」と思う人の方が多い

「ナシ婚」派の人の、前項の結果からは既存の結婚式に共感しない層も見られましたが、一方で、「今後の人生で結婚式を挙げたいか」という問いには「挙げたい」という意見が62%を超えました。

つまり、前項で触れたような「価値観の変化」はなく、やむを得ず「ナシ婚」となっているようです。

また、「ナシ婚」を選んだ人に、どのタイミングでそれを決めたのかを尋ねる問いでは、「両親へ相談をするタイミング」の時点で諦めた人が75%以上もいました。

「どんな式にしたいか」「どこで式を行うか」などのプランなどを考えることができなかったというのは、ちょっと切なくも感じました。

■大切にしたいのは「アリ婚」「ナシ婚」ともに「入籍日」

結婚にあたって記念に残したいものは「アリ婚」「ナシ婚」双方とも「入籍日」が一番多くなりました。

他方、「ナシ婚」派は「プロポーズ」「結婚指輪を買った時」「両家双方への挨拶」「ハネムーン」なども上位に占め、「ふたりで祝うシーン」を大切にしたいという想いも強くあることがグラフからわかります。

また、「アリ婚」派では、やはり「入籍日」が1位となったもののその割合が「ナシ婚」派より20%ほど高く、「挙式」や「披露宴」などふたり以外が参加するシーンも上位に入りました。

■「アリ婚」派の67%は予定通りの決行!

最後に「アリ婚」派の方に、「結婚式開催までに、どのような影響があったか」の回答を見てみると、「予定通りに開催」が67%以上を占め、「延期をした(する予定)」よりもはるかに多いことがわかります。

■新型コロナウイルスだけでなく、経済的理由も…

ここまでの調査結果からは、「結婚」という一大イベントに対し、「コロナ禍の影響でどう変わったのか」というテーマで解説してきました。漠然とではなく数値化されているものでリアルに現状を理解することができましたが、この調査を行った株式会社エニマリ・担当者の方からもコメントをもらいました。

「コロナ禍であっても『アリ婚』層の約7割が予定通りの日程で結婚式を開催していた結果となり、結婚式に対する想いの強さを感じました。また『ナシ婚』層は『新型コロナウイルスの影響で結婚式ができなかった』が最⼤の理由であるものの、準備にかかる負担や経済的理由など、新型コロナ以外の理由も根強くあったこともうかがえました。

コロナ禍で結婚式に対する価値観やニーズには変化が生じることと思いますが、エニマリでは、結婚するふたりにとって『⼊籍⽇』『プロポーズ』『結婚指輪を買ったとき』など、大切にしたいシーンを、新郎新婦が理想とするかたちで実現することを応援しています。そして今後も、今後も変化する結婚式に対する価値観やニーズに対応したサービスを提供していきたいと考えています」(担当者)

依然として収まる気配がない感染拡大ですが、様々な事情が重なり結婚式を思うようにできなかった夫婦2人の想い出の大きな1ページがなくなるのは、やはり悲しいもの。社会全体にとってはもちろんですが、新たな未来を支える夫婦にとっても早く新型コロナウイルス感染拡大が収束することを願うばかりです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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